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オイリースキン対策

2016.09.06 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスンvol.6
オイリースキン対策

20代と30代では解決策は異なります

Tゾーンのテカリやベタツキ肌を気にする人は多いのですが、一口にオイリースキン(脂性肌)といっても、若いうちのそれと年齢を重ねてからのものでは原因が異なります。

原因が違えば手立ても別。若いころと同じスキンケアをしていても、根本解決はできません。ニキビや吹き出物を招く前に中医美容で正しいケアを心がけましょう。

女性にとって悩みの脂性肌。体の内側からのタイプ別対策で、脂性肌の解決をしましょう!

皮脂腺を刺激する原因は?

脂性肌(オイリースキン)は、化粧崩れやベタつきなどそれ自体の症状も気になりますが、毛穴が目立つ、肌のキメが粗くなる、粉をふいたような状態になるなど、女性にとっては大きな悩みのタネとなります。口の周りはカサカサなのに、額や鼻の周りだけが脂っぽいという人も少なくありません。

さらにニキビや吹き出物、湿疹、脂漏性皮膚炎(自分の皮脂にかぶれて赤みや痒みが出る。季節の変わり目に発症)、酒渣(しゅさ:頬や顎、鼻の辺りにできる痒みの伴わない赤み。原因不明)などに発展することも。そうなる前の正しいケアが必要です。
オイリースキンとは、皮脂腺が刺激されて、皮脂が過剰に分泌した状態のこと。中医学では、体内にこもった余分な熱が皮脂腺を刺激するとも考えますが、その熱の種類に応じて、次のような対策をとります。

お酒やタバコ・スナック菓子は、皮脂腺を刺激してオイリースキンの原因に

陽盛が原因のオイリースキン

ホルモン分泌が盛んで新陳代謝も激しい若い時期にみられる脂性肌は中医学的には陽盛(身体をあたためる力が旺盛)が原因と考えます。若い時期はもともと体内に熱がこもりやすいのですが、お酒やタバコなどの刺激物、食生活の乱れ、睡眠不足、ストレスなどが加わることで、余計に熱がこもり、それが皮脂腺を刺激するのです。特にファストフードやスナック類、甘いものや脂っこいものを好む人は要注意です。
バランスのとれた食事をとる、たっぷりと睡眠時間をとる、便通に気を付けるなど、基本的な生活を見直すことで、かなり改善されるでしょう。上手にストレスを発散させることも重要です。

リラックスした時間を過ごし、皮脂腺を刺激する余分な熱がこもらないよう、上手にストレスを発散しましょう

気滞が原因のオイリースキン

ストレスが特に強い人の場合は、気滞(きたい)が原因になっていることも考えられます。気の運行をコントロールしている肝がストレスによって弱まり、気の流れを滞らせているのです。気がスムーズに流れなければ、体内に余分な熱がこもってしまいます。それが皮脂腺を刺激するのです。カッとなったり、イライラしたり、お腹の張り、便秘、生理前に脇や胸が張ったり痛くなる、睡眠が浅い、といった症状も伴うでしょう。

ニガウリやキュウリ、トマトなどの緑黄色野菜が余分な熱を取ってくれます。ドクダミ茶、タンポポ茶などもおすすめ。

のぼせ、ほてりがある方は女性ホルモンのバランスが乱れていることが脂性肌の原因かも

陰虚血熱が原因のオイリースキン

新陳代謝が低下し始める年齢(35歳ぐらい)になっての脂性肌は、陰虚(いんきょ)による血熱(けつねつ)が原因です。中医学では、体を潤す津液(しんえき)、女性ホルモン、血を総称して「陰」といいますが、加齢に伴い、陰は徐々に減っていきます。この状態が「陰虚」。中医学は「陰陽」のバランスを重視しますので、陰が減れば相対的に陽が強まり、これによって熱がこもりやすい状態になるのです。
陰虚血熱になると、火照りなども出てきます。ホットフラッシュ、膝や腰が重だるい、目がかすむ、口が乾きやすい、めまい、便秘、生理不順といった症状を伴うことも。更年期障害の症状ととてもよく似ていますが、早めにケアをすれば、閉経を遅らせることにも繋がり、アンチエイジングにもなります。
体内を潤しながら、熱をとってくれる白キクラゲ、スッポン、豆腐、小松菜、ユリ根、桑の実、枸杞の実、大豆、春菊、冬瓜、トマトなどを多くとるように心がけましょう。枸杞の実を入れた緑茶、ソバ茶などもおすすめです。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など