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タルミを招く三大要因~腎虚、脾虚、瘀血タイプ別で根本解決~

2016.08.02 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスンvol.5
タルミの原因もさまざま。タイプ別のタルミ対策でアンチエイジング。

タルミは皮膚の老化によって起こります。中医学では、老化の三大要因を「腎虚(じんきょ)」「脾虚(ひきょ)」「瘀血(おけつ)」としています。また、まだ若くてもこうした問題が起こればタルミが生じます。コラーゲンやヒアルロン酸の補充だけでは根本解決にはなりません。

中医美容に即したタイプ別ケアで、身体の内側からリフトアップを目指しましょう。

年齢にともない、女性の体は7の倍数で変化します。35歳を過ぎたらタルミに注意しましょう

腎虚によるタルミには補腎を

腎(じん)は、成長や発育の素となる「精気(生命エネルギー)」を宿していて、発育と生殖を司っています。腎の働きの低下(腎虚:じんきょ)によって精気が減少すること、これがすなわち老化というわけです。

 

中国最古の医学書『黄帝内経(こうていだいけい)』には「女性の体は七の倍数で変化する」と書かれていますが、これは腎の盛衰を意味します。7歳で毛髪が増え、14歳で初潮、21歳で腎気が充実し、28歳でピークに、35歳で衰え、49歳で閉経するというわけです。

つまり、タルミも35歳頃から本格化してきます。

 

しかし、年齢に関係なく腎虚となる人もいます。腰や膝がだるく特に生理時につらい、髪の毛が抜けやすく若白髪が目立つ、むくみや耳鳴りがある、夜中に尿意をもよおす、便秘がち、生理不順といった症状のあるひとは要注意です。まだ若いからと油断していると、遠くないうちにタルミがでてくるでしょう。

 

同じ腎虚でも、体が冷える人とほてる人に分かれます。冷えるタイプは体を温めることが第一。胡桃や胡麻、黒大豆、黒木耳、昆布、海苔といった黒い食材には、腎を補う効果があります。豆腐やニラ、ナマコ(これは特にほてる人向け)、納豆などもお勧めです。

胃腸の疲れもタルミ原因に。冷たいものや生物を避けて、お粥、スープなど胃腸に優しい食べ物を食べましょう!参鶏湯は胃腸を元気にする食材が沢山入っていのるのでおすすめです

脾虚によるタルミには健脾を

脾(ひ)は肌肉(筋肉)を司ります。ここが衰えると(脾虚:ひきょ)、顔だけではなく首や腰回りなどの筋肉にも締りがなくなり、ダランとしてきます。また、脾は「美肌の源」である気・血・津液(しんえき)を生じる内臓でもあります。脾虚になると当然「気・血・津液」も不足し、張りを保つことが難しくなるのです。

 

脾虚の症状としては、胃腸が弱い、お腹が張る、疲れやすい、むくみや冷えがある、血色が悪くツヤがない、顔色がくすんでいる、筋肉がない(太っているわけではないが、二の腕や太ももがプヨプヨしている)といったものです。

 

長芋や魚、レバー、ユリの根、ナッツ類(カボチャのタネ、松の実、ヒマワリのタネ)やもち米といった食材を多く摂るようにしましょう。控えたいのは、冷たい物とナマ物。お刺身やお寿司も本来避けたいところですが、食前に温かいお茶やお吸い物をとることで胃腸を温めておけば大丈夫です。

 

最近流行りの韓国料理、参鶏湯(サムゲタン)はコラーゲンたっぷりの若鶏に、もち米、高麗人参、干しナツメ、ニンニクが入った温かい食べ物で、脾虚によるタルミにはもってこいのお料理です。

肩こりもタルミの原因に。瘀血の症状(シミ・くすみ・肩こり・腰痛など)が多く当てはまる方は、血流を良くしてタルミ対策を

瘀血によるタルミには活血を

瘀血(おけつ)とは、血液循環が悪くなること。特に毛細血管の血流が滞ると、皮膚に気・血・津液(しんえき)が行きわたらないため、栄養や潤いが不足し、タルミにつながります。

 

シミやクスミがある、肩こりや腰痛がある、生理痛が激しい、コレステロールが高い、体重が少しずつ増えている、といった症状があれば瘀血の可能性があります。

 

タケノコ、蓮根、ゴボウ、タマネギ、ニンニク、昆布、桃、アーモンドといった食材には活血(かっけつ:血の巡りを良くする)の効果があります。ぜひお試しください。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など