監修:笹沼歌乃(国際中医薬膳管理師)
【難易度★☆☆】
大根は、咳や痰を落ち着かせ、胃の働きを整えて消化を促します
大根 涼性/辛味・甘味 咳や痰が多い時や胸のつかえ、胃もたれ、吐き気の対策 など
大根は古くより胃腸をすっきりさせ、気の巡りを整える食材とされ、食後の重さや胸のつかえを感じやすいときに取り入れられてきました。生の大根は涼性で熱を冷ます働きがあり、春夏に向くとされます。一方、干したり、加熱した大根は温性に傾き、体を温める力が増すため、秋冬の食卓に適しています。季節や体質に応じて使い分けられる、年間を通じて重宝される食材です。今回、使用した干し大根は、大根を天日干しして水分を抜いた保存食で、甘みと旨味が凝縮し、独特の食感が楽しめます。
参考:『薬膳食典食物性味表』
台湾風切り干し大根入りオムレツ
レシピ
こんにちは。国際中医薬膳管理師の笹沼です。台湾の家庭料理に「菜脯蛋(ツァイプーダン)」という、干した大根(菜脯)を卵と一緒に焼き上げるシンプルな卵料理があります。今回は、その菜脯の代わりに日本の切り干し大根を使ったアレンジレシピをご紹介します。日本の切り干し大根は天日干しのみで仕上げるため、甘く穏やかな風味が特徴。一方、台湾の菜脯は塩漬けと発酵を経て干すことで、旨味と塩気が強く、より深いコクがあります。今回のレシピでは、切り干し大根に山芋を加えて「補気健脾」の働きを高め、胃腸を養い疲労回復をサポート。さらに長ねぎやしょうがで冷えを防ぎ、血流を促します。卵は心身を落ち着かせる食材として知られています。切り干し大根を組み合わせることで、気の巡りや食滞、むくみを整える養生オムレツに仕上がります。仕上げに香菜や糸唐辛子を添えれば、香りと辛味が加わり、気を巡らせて食欲を引き立てます。
調理時間20分
材料
【2人分】
切り干し大根(戻した状態で)・・・40g
長ねぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10g
しょうが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2g
山芋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3個
砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2
醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
香菜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お好みで
糸唐辛子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お好みで
作り方
- 1切り干し大根を水で戻し、水気をしっかり切ってから千切りにする。
- 2長ねぎは千切りにし、しょうがはみじん切りに、山芋はさいの目に切る。
- 3フライパンに大さじ半分の油をひき、②を加えて炒める。油が全体にまわったら砂糖を加え1分ほど炒めてから皿に取り出す。
- 4ボウルに卵3個をとき、塩と少量の醤油を加え、冷めた③を加えざっくり混ぜ合わせる。
- 5フライパンに残りの油をひき、④を入れ周りが少し固まるまで中心をかき混ぜる。その後、中火~弱火にして蓋をして30秒ほど蒸らす。
- 6⑤をひっくり返し、同様に蓋をして30秒ほど蒸らす。
- 7皿に盛りつけ、お好みで香菜と糸唐辛子をトッピングする。
料理のポイント
- point! 食感があり食べ応えがあるので、作り置きやお弁当のおかずとしても最適です。
- point! 切り干し大根の戻し汁は旨味があるので、大さじ1ほど残しておき、工程④で加えると、味に深みが出ます。
- point! オムレツの厚みを出す場合は、弱火でじっくり火を通すことで、固くならずにふんわり仕上がります。
この記事を監修された先生
国際中医薬膳管理師笹沼歌乃
国際中医専門員。国際中医薬膳管理師。登録販売者。
イスクラ産業株式会社中成薬事業本部広報課にて、中医学情報サイト「COCOKARA中医学」の運営。イスクラ中医薬膳講座(主催:イスクラ中医薬学院)で薬膳講師として従事。薬膳の調理実習やイベント開催、SNSの運用を通して中医学を紹介。
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