監修:矢留 江里子 先生(国際中医薬膳師)
【難易度★★☆】小豆は水分の代謝を整えて溜まった毒素を出しやすくします。
小豆 平性/甘味・酸味 むくみ、吹き出物、湿疹の改善など
日本では昔からお祝いの時には小豆でお赤飯を炊き、お彼岸にはおはぎを作る習慣があります。古事記でも五穀の起源の説話に小豆が登場しています。民間療法でも利尿や毒出し、産後の養生としてよく知られている食材です。中医学的には小豆は「心(しん)」(心臓)・「小腸」を元気にし、身体の余分な熱を取り、梅雨時期の湿度による重だるさ、むくみの解消に効果的です。解毒作用もあるので、吹き出物などの肌荒れ、便秘などデトックスにもおすすめ。
小豆の塩水ようかん
RECIPE
梅雨のじめじめした時期は、中医学でいう「湿邪」の影響を受けやすくなり、体のむくみ、重だるさ、肥満、胸がつかえる、関節痛、などの症状が出やすくなります。「湿邪」は重濁で粘り気があり停滞しやすい特徴があります。胃の不調も現れやすく、食欲がない、吐き気、下痢などの症状が現れやすくなるかもしれません。
体に「湿」(余分な水分や汚れ)を停滞させないよう、利尿作用のある野菜、瓜系、海藻、豆類などをバランスよく食べ、体を冷やさないようにし、適度な運動をプラスして、余分な水分や老廃物をデトックスしていきましょう。
今回の塩水ようかんは黒糖やキビ砂糖などミネラルの多い砂糖を使って甘味を調整し、簡単に手作りしていきます。寒天も天草という海藻が原料ですから食物繊維が豊富です。デトックスするには相乗効果があるでしょう。
調理時間90分
材料
粉寒天…………………4g
COOKING
- 1小豆を軽く洗い、3倍ほどの湯を加えて火にかける。沸騰したら豆のアクを取るために一度湯を捨てる。
- 2再び3倍くらいの水を入れ、強火で沸騰したら弱火にして豆の芯が軟らかくなるまで1時間ほど煮る。熱いうちにすりこぎ棒かマッシャーで潰しておく。
- 3粉寒天を400㏄のお湯に溶き、弱火で沸騰させながら1分程よくかき混ぜる。黒糖、塩、②を加えよく練り、お好きな型に入れる。
- 4粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、冷えたら切っていただく。
料理のポイント
- point! こしあんが好きな方は②で潰すときに裏ごししてください。
- point! 寒天は沸騰させたお湯で煮溶かすことがポイントです。粗熱が取れてくると常温でも固まってきます。
- point! 中医学の五味で甘味は「湿」を生成しやすくします。小豆と昆布を炊いたり、小豆ご飯やお粥にするなど甘味に偏らない小豆レシピもおすすめです。
この記事を監修された先生
国際中医薬膳師矢留 江里子 先生
矢留 江里子(やとめ えりこ)国際中医薬膳師。登録販売者。フードコーディネーター。食空間コーディネーター。NPO日本食育インストラクター。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)卒業。自然療法の料理教室の課程を修了。企業のイベントなどで薬膳講師を務める。イスクラ薬局勤務を経て2023年11月より、吉祥寺にて漢方薬店「薬食同源totonou漢方」 主宰。