監修:楊 暁波 先生(中医学講師)
楊暁波先生の中医美容レッスン vol.25
度を過ぎた感情は、身体や肌のダメージに
嬉しい、悲しい、怒る、悩む……。こうした感情は、人の心を豊かにしてくれるとても大切なもの。ところが、どんな感情も度がすぎると精神的ストレスとなり、身体や肌にダメージを与えてしまうので注意が必要です。一見、大きいほど良いと思える“喜び”といった感情も、過剰になれば興奮につながり、心身の負担になってしまうのです。
感情が身体や肌のダメージにつながるのは、内臓、神経系、免疫系、内分泌系などの働きが、精神状態の影響を強く受けているため。正常な範囲の感情が不調の原因になることはありませんが、感情が強すぎたり、精神的負担が長期間続いたりすると、免疫と内臓機能の乱れや自律神経の不調などにつながり、病気や肌トラブルを招いてしまうのです。
例えば、化粧ノリが悪い、肌色が優れない、肌荒れの他に、「肝斑(かんぱん)」(両頬のシミ)、赤ら顔、円形脱毛症、ニキビ、皮膚そう痒症、アトピーの悪化、蕁麻疹(じんましん)、「ビダール苔癬(たいせん)」(首の後ろなどにみられる厚い湿疹)なども精神状態の影響に関係しています。
中医学でも、感情と身体の関係はとても重視されています。精神や感情の状態は七情「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」に分けられ、それぞれが五臓と密接な関係に。
「怒り=肝(かん)」「喜び=心(しん)」「思い=脾胃(ひい)」「悲しみ・憂い=肺」「恐怖・驚き=腎」というように関わっていて、例えば、強い怒りで頭痛がしたり(肝の不調)、思い悩んで食欲が落ちたり(胃腸の機能低下)、といった不調につながります。
また、度を過ぎた感情は「気」(エネルギー)や「血」の巡りを悪化させてしまうため、エネルギーや栄養が体内に十分行き渡らず、心身の不調や肌トラブルを招いてしまうこともあります。
イライラしがち、短気でカッとなりやすい、くよくよと思い悩む。こうした性格の傾向は生まれ持ったものでもありますが、感情に任せているだけではダメ。健やかな肌を保つためにも上手に感情をコントロールして、リラックスした気持ちで過ごすよう心がけるましょう。
あなたの性格はどのタイプ?感情と肌トラブルの関係
睡眠不足でクマができやすい、顔が赤くなりやすい、口内炎ができやすい
バリア機能の低下、血色が悪い(青白い)、透明感がない、ツヤがない、目が腫れぼったい
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この記事を監修された先生
中医学講師楊 暁波 先生
楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など