美肌の条件「う・つ・な・は・だ・け」を目指して - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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美肌の条件「う・つ・な・は・だ・け」を目指して

2016.05.25 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスンvol.1
身体の中からキレイにする「中医美容」のすすめ

中医学で目指す、もうひとつの美容の世界

中医美容が目指す美肌は、「う・つ・な・は・だ・け」です。
「う」・・・潤い
「つ」・・・ツヤ
「な」・・・滑らかさ
「は」・・・張り
「だ」・・・弾力
「け」・・・血色
その理想の美肌を保つには、「体の内側の健康」が欠かせません。「気・血・津液(しんえき)」を源とする、ちょっと神秘的な中医美容の世界を、中医学講師の楊 暁波(よう きょうは)先生にご案内いただきます。

暮らしの毎日のちょっとしたコツで、健康な身体と美肌を手に入れましょう!

美容の源は「気・血・津液」(き・けつ・しんえき)

4000年の歴史を誇る中医学は、人体と自然の一体性や五臓を中心とする整体観など、独自の世界観をもって進化してきました。気や経絡といった、目には見えないけれども確かに感じることができる力の存在を信じてきたのです。
昨今、中医学が長年用いてきた、生薬や漢方の成分と効力が、西洋医学的手法によって次々と明らかにされています。気や経絡という中医学を支える理論も、ナノテクを超える微粒子論がさらに発達してきたときに、初めて西洋科学でその姿がとらえられるのかもしれません。
中医美容もまた、そうした中医学の理論をもとにしています。
中医学では、「気(き=エネルギー)・血(けつ=血液)・津液(しんえき=体液)」を内臓や肌の栄養物質の基礎と考えています。
「血」は全身に栄養を運び、内臓や皮膚を養います。「津液」も全身に潤いを与えながらその状態を保つ役割を担います。この血と津液を全身に送り届けるのが「気」のパワーですから、「気・血・津液」いずれかが不足しても、美肌を保つことはかないません。

五臓のバランスをととのえ、元気で美しい身体へ

美肌づくりは内面から

また、中医学の全体観に基づいて、皮膚は五臓(肝・心・脾・肺・腎)と密接につながっていると考えます。
肌に透明感がなくなり、ツヤや血色がなくなるのは、「心の花は顔に咲く」「肺は皮膚を司る」とも言われる心肺系統の気血が不足しているからです。
頬がやつれ、目の下のたるみや唇の荒れが起こるのは、「脾」の経絡が弱まっているためです。
泌尿器系や生殖器、ホルモン系などを司る「腎」の働きが弱まれば、タルミやシワ、シミ、白髪、脱毛といった症状が現れます。そして自律神経系などを司る「肝」の機能が乱れると、爪割れや吹き出物など皮膚のトラブルが発生します。ストレスを強く感じたときに肌荒れが起こるのはこのためなのです。
このように皮膚は五臓と密接に関係していることから、「肌は内臓を映し出す鏡」とも言われています。この時、五臓と皮膚をつないでいるのが経絡です。
経絡とは、体の各部をくまなく流れる体内エネルギーの通路のことです。気・血・津液も経絡によって運ばれているのです。
つまり、中医美容が理想とする「潤いがあり(う)、ツヤがあって(つ)、滑らかで(な)、ハリがあり(は)、弾力に富み(だ)、血色のいい(け)」肌を作るには、内側からの働きかけが重要なポイントになります。
この連載では、養肌(若返り)、整肌(トラブル改善)、そして美肌(より美しく)のために、内臓機能を向上させる方法、気・血・津液を保つ方法、さらには経絡(ツボ)を使った方法など、中医美容ならではの手法を紹介していきます。
内側からの美肌作りは表面的な方法よりも時間がかかります。効果を実感するまで少し時間がかかりますが、自然で健康的な美肌を長く維持できるというメリットがあります。これこそが中医美容最大の特徴なのです。

自然で健康的な美肌を長く維持できることが、中医美容の最大のメリット!

お肌の年齢をチェックしてみましょう

中医美容が目指す美しいお肌、「潤いがあり(う)、ツヤがあって(つ)、滑らかで(な)、ハリがあり(は)、弾力に富み(だ)、血色のいい(け)」。
さて、あなたはいま、どれくらい「うつなはだけ」でしょう?
次の簡単な質問をチェックするだけで、だいたいの肌年齢がわかります。自分の実年齢とくらべて、高いか・低いかだけでなく、実際にどういうことがお肌にストレスを与えているか確認することで、今後の連載でお話する内容がさらにいかせるようになるはずですよ。
また、サイトの「体質チェック」も参考にして、自分の体質にあった生活法をとり入れてみてください。
今後の連載では、お肌を中心に中医美容で美しさを手に入れる、さまざまな方法をお伝えいたします。どうぞお楽しみに。

今後の連載では、自宅でできる食事・ツボ・生活養生などお伝えしていきます

肌年齢チェックリスト

1□不眠気味(睡眠不足)
2□よくイライラする
3□洗顔後、化粧品をつけないと、肌がつっぱる
4□毛穴が目立つように見える
5□目じり、口の周りに小ジワが目立つ
6□めまい、たちくらみが時々ある
7□食べ物の好き嫌いが顕著。毎日晩酌する
8□髪の毛に艶がない
9□皮膚に艶がない
10□シミが出ている(増えている)
11□冷え性がひどい
12□生理痛がひどい
13□いつも疲れる感じがする
14□顔色が黒ずんでいる
15□目の下にクマのような黒ずみがある
16□生理時に塊がある
17□頸部にシワがある
18□涙袋(目の下のたるみ)がある
19□紫外線対策をしていない
20□肌の弾力が減っている
該当項目が0~5⇒20代の肌
     6~10⇒30代の肌
     11~15⇒40代の肌
     16以上⇒老化が進んでいます

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など