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シミの大敵はストレス!

2016.06.07 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスンvol.3
怖いのは紫外線だけではない!

女性特有の「肝斑(かんぱん)」は女性ホルモンが原因に

3回目の今日は、中医学でみるシミについてのお話です。

 

突然ですが、みなさん、ストレスが原因のシミがあるってご存知でしょうか。これは、成人女性に特有のシミで「肝斑(かんぱん)」といいます。目の下から頬にかけ、左右対称に広がるその形から「胡蝶斑(こちょうはん)」ともいわれます。女性特有の「肝斑」は、生理や妊娠に誘発されることも多く、女性ホルモンに深く関係していますので、体内からのケアがとても大切です。

紫外線ケアはもちろん大事ですが、女性特有のシミにはホルモンケアが不可欠です

タイプに応じたシミ対策があります!

今や、日焼けをしないことは常識ですが、それでも私たちの肌はかなりの量の紫外線を浴びています。これがメラニン細胞を刺激してシミの原因になることはご存知ですよね。それでも同じように紫外線を浴びながら、シミの出やすい人と出にくい人がいるのは、ホルモンバランスの乱れやストレス、不養生、アルコールの多量摂取などが関与しているためです。
中医学では、シミは肝・腎・脾など内蔵に深く関係しているとみて、次にように分類していきます。

頬に濃いシミの出る人は、ストレス発散を心がけ、睡眠をたっぷりとりましょう

シミの4つのタイプとその対策とは

【肝鬱気滞(かんうつきたい)】

肝(かん)は、栄養物質の素である「気」の流れと「血」を司っています。肝がストレスの影響を受けると(肝鬱)、気血の巡りが悪くなり(気滞)シミの素ができるのです。頬に濃いシミとして現れますが、イライラ、怒りっぽい、胸やわき腹の張れをともなうことがこのタイプの特徴です。のぼせ、不眠、生理不順もあるでしょう。このタイプに必要なのは、リラックスしてストレスを解消すること。それには十分に睡眠をとることが何よりも大切です。

【肝腎不足(かんじんぶそく)】
腎(じん)は、生殖機能を司ります。肝と腎の機能が低下すると、ホルモンのバランスが乱れやすくなるのです。このタイプのシミは褐色で、生理不順や腰痛などをともなうことがあります。このタイプには、肝腎のパワーを補って、生理の周期、経血の量や質を正常にすることが大切です。今、シミのない人でも、生理不順がある場合には、将来、このシミのタイプが発生する可能性が高いので、自分の生理はしっかり管理しましょう。

冷えが原因のシミも!冷たいものが好きなあなたは要注意

【脾虚湿滞(ひきょしつたい)】

脾(ひ)は、運化(消化と運搬)をつかさどります。食物から得た栄養素を、全身に行きわたらせる機能です。ですが、その脾がパワーダウンし、全身を巡るはずの栄養が、逆に不要な液体(湿)となって体内に滞った状態です。泥のような色をしたシミが鼻の周りに現れます、食欲不振、消化不良、下痢や便秘、疲れやすいといった症状をともなうこともあります。暴飲暴食をやめ規則的な食生活を心がけることが何よりの対策になります。

 

【腎虚(じんきょ):冷えタイプ】

腎陽(じんよう:身体をあたためるエネルギー)の不足で血流が悪くなり、シミとなって現れるタイプです。ほかに体質の特徴としては、経血が黒っぽく、塊があり、つらい生理痛をともなうこともあるようです。冷房や本人の不養生で体が冷えていることが原因です。冷たい食べ物や飲み物が好きな人、冬でもミニスカートをはいている人に多く見られます。本人が感じる以上に、体は冷えているもの。普段の飲食は温かいもの、せめて室温のものをとるように心がけましょう。

 

五行草のお茶や、濃い目の緑茶もシミにおすすめ

紫外線を長時間あびてしまった時の対策は

五臓の肝(かん)・腎(じん)・脾(ひ)にこうした異常があり、さらに日光をあびることでシミは発生します。紫外線を避けることは肝要ですが、何よりの予防と対策は、体内を整えること。やむを得ず紫外線を長時間浴びた時には、一刻も早く対策を講じることです。

 

中医学では、過剰な日焼けは「熱毒(ねつどく)」と考えます。体内の熱をとるために、五行草(ごぎょうそう)のお茶や濃い目の緑茶を飲むことも効果がありますし、湿布として試してみるのもおすすめです。

耳や足のマッサージを、顔のパックなどとあわせて定期的に行えば、メラニン色素を軽減するだけでなく、予防にも最適です。

血海、三陰交、足三里のツボ刺激で内蔵を元気に!

シミにおすすめ!自宅でできる簡単ツボマッサージ

ひとつのツボを、はじめは軽く、次第に強く、重だるい感じがするまで1分ぐらい押しましょう。気血(きけつ)のめぐりを良くし、脾胃(ひい:消化器系)の機能を強くしてシミを改善します。

 

血海(けっかい):ひざの皿の内側、上指三本分のところ

足三里(あしさんり):向こうずねのすぐ外側、膝の指4本分下のところ

三陰交(さんいんこう):内くるぶしの指4本分上のところ

 

また、耳たぶのくぼみの下の部分は、内分泌を活性化しますので、綿棒で1分間押すように刺激してください。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など