唇の色が悪いのは体からのSOS!?中医学でわかる体質と養生法 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学 | 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

中医美容と養生

唇の色が悪いのは体からのSOS!?
中医学でわかる体質と養生法

2026.02.03 UPDATE

女性の唇

監修:佐々木 絵理子(薬剤師)

漢方薬剤師の無理しない養生ラボVol.1

「あなたの唇、今日はどんな色ですか?」
朝、鏡の前でメイクや歯磨きをするとき、唇をじっくり観察したことはありますか。中医学ではすべての臓腑や組織は互いに影響しあっていると考え、「唇の色」にも体内の状態が反映されていると捉えます。たった5秒のセルフチェックで、今日のあなたに必要なケアが見えてくる…そんな中医学の知恵を、薬剤師の佐々木が分かりやすくお伝えします。

五行配当表

五行配当表

なぜ唇を見ると体調がわかる?~脾胃と気・血・津液~

中医学には「脾(ひ)は口に開竅(かいきょう)し、その華は唇にある」という言葉があります。これは、脾の状態は食欲や口の感覚にあらわれ、さらに唇の色つやとして外側にも現れるという意味。中医学における脾とは、西洋医学の脾臓そのものではなく、食べ物を消化・吸収し、全身に必要なエネルギー(気)と栄養や潤い(血)を作り、運ぶ機能の総称です。脾胃が整っていれば、唇は淡い紅色でふっくら、しっとり。反対に、脾胃が弱っていると、唇の乾燥や血色の悪さなどとして現れます。

 

また、唇の状態には体内の「気・血・津液」のバランスも深く関係しています。

● 気(き):体を動かし、血を巡らせる“エネルギー”
気が不足すると、血を唇まで押し進める力が弱まり、淡白で元気のない色になりがちです。
● 血(けつ):栄養と潤いを運ぶ“赤い液”
血が不足すると唇は淡い色に、また、血の巡りが滞ると紫暗色にくすむのが特徴です。
● 津液(しんえき):体を潤す水分
津液が不足すると唇は乾燥し、縦じわが目立ちやすくなります。また潤い不足によって体内に熱がこもると、赤みが強くなることも。

 

中医学の養生では、この三つが体内に十分にあり、滞りなく巡ることが健康の土台。血の巡りが停滞している、潤いが不足している、体内に熱がこもっているなどの体内のバランスの乱れは、色・つや・質感として唇に現れます。

気血津液イメージ

【色別診断】あなたの唇が教えてくれる体の状態

口紅や照明の影響を避け、朝の支度の前に5秒間のセルフチェックを習慣にしてみましょう。自然光で素の唇を観察することがポイントです。あなたの唇はどんな色ですか。

 

[1]白っぽい・血色が薄い唇

気になる症状:疲れやすい、めまい、立ちくらみ、動悸、顔色がすぐれない、食欲不振
考えられる体の状態:脾胃が弱り、気と血が十分に作れない。女性では月経による血の消耗も影響。

 

[2]紫暗色・くすんだ色の唇
気になる症状:肩こり、頭痛、目の下のクマ、重い生理痛、経血に塊がある、手足の冷え、肌のくすみ
考えられる体の状態:冷え・座りっぱなし・ストレスなどの要因で、血の巡りが滞っている。

 

[3]乾燥を伴うほてった赤色・縦じわが目立つ唇

気になる症状:乾燥肌、ほてり、寝汗、口の渇き、イライラ、便秘、寝つきが悪い
考えられる体の状態:潤いが不足し、体内に余分な熱がこもっている。

※強い赤み・ひび割れ・炎症感がある場合は、別の原因の可能性も考えられます。

唇の色と体質の図

※画像の唇の色はおおよそのイメージです

【体質別養生法】おすすめ食材と生活習慣で整える

ここからは、唇の状態から考えられる体質ごとに、ケア方法をお伝えします。

 

[1]気血不足の「白っぽい・血色が薄い唇」
~おすすめ食材~

脾を養う:山芋、かぼちゃ、さつまいも、もち米、にんじん、りんご、大豆製品 など
血を補う:黒豆、枝豆、なつめ、かつお、まぐろ、レバー、 ぶどう など

~生活習慣~

● 温かく消化の良い食事で脾胃をいたわる
気血の材料は飲食から。冷たい物や脂っこい物を控え、よく噛んで食べましょう。
● 早めの就寝で血を養う
血は夜眠っている間に養われます。早めの就寝を心がけましょう。
● 軽い運動で気血の巡りを促す
ウォーキングやストレッチなどを日々の習慣に。激しい運動は消耗をまねくので控えめに。
● 過労・ストレスをためない
働きすぎ・考えすぎは気を消耗し、脾を弱らせる要因に。意識的に休息を取りましょう。

 

[2]血が滞っている「紫暗色・くすんだ色の唇」
~おすすめ食材~

玉ねぎ、にら、ししとうがらし、桃、サンザシ、甘酒、鮭、いわし、バジル など

~生活習慣~

● 体を冷やさず、温めて血の巡りを促す
シャワーで済ませず湯船に浸かりましょう。また、首・お腹・手首・足首の保温を意識した服装選びを。
● 軽い運動で巡らせる
散歩やストレッチを習慣にしましょう。長時間座りっぱなしはできるだけ避けて。
● ストレスケアで気の流れを整える
気の滞りは血の滞りの要因に。深呼吸や休息で気を巡らせましょう。

 

[3]潤い不足の「乾燥を伴うほてった赤色・縦じわが目立つ唇」
~おすすめ食材~

豆腐、豆乳、豚肉、おくら、トマト、れんこん、梅、りんご、ほたて など

~生活習慣~

● 夜更かしを避ける
潤いは睡眠中に養われます。日付が変わる前の就寝を目指しましょう。
● 刺激を減らし、穏やかに過ごす
辛い食べ物・アルコール・激しい運動は潤いの消耗を招きます。
● 激しい運動は避ける
汗をかきすぎると体の潤いが失われます。散歩・ストレッチ・ゆっくりしたヨガなど、“消耗させない運動”がおすすめです。

カップを持ちソファでくつろぐ女性

唇から始めるセルフケア

唇は、体がその日どんな状態にあるかをそっと教えてくれるサインです。小さな気づきから、今日の自分に合うケアを選ぶ。その積み重ねが未来のあなたの健康のベースとなります。
中医学の養生は、足りないものを補い、余分なものを取り除くという、やわらかなバランス調整。唇の色を知ることは、自分の体質を知るきっかけに。そして体質を知れば、今の自分がより心地よくなれる方法が分かります。
「唇を見ること」から始めるセルフケア。あなたの毎日の暮らしに、ぜひ取り入れてみてください。

 

【注意事項】
本記事は、中医学・漢方の一般的な理論や養生法を紹介するものであり、医師による診断・治療に代わるものではありません。
唇の色の変化が急激である場合、激しい痛みやしこりを伴う場合、あるいは長期間改善が見られない場合は、自己判断せず、医療機関にご相談ください。

中医学の情報をLINEでお届け!

季節に合わせた養生法、心身ともに健康になるヒント、専門家監修の薬膳レシピなどをLINE限定で配信中!

この記事を監修された先生

薬剤師佐々木 絵理子

薬剤師。国際中医薬膳師。
富山医科薬科大学(現・富山大学)薬学部卒業。調剤薬局や大学病院で薬剤師として勤務する中で、養生の重要性を広く伝えたいという想いがうまれ、イスクラ中医薬研修塾に入塾。現在はイスクラ産業株式会社 中成薬事業本部広報課に所属し、中医学情報サイト「COCOKARA中医学」の運営やSNSを通じて、健康維持に役立つ養生法などを発信している。