監修:笹沼歌乃(国際中医薬膳管理師)
【難易度★☆☆】
せりは、肝を整え、体をリフレッシュさせます

せり 涼性/甘味 排尿トラブル・血尿・口の苦み・鼻血・おりものトラブルの解消 など
春の食材「せり」は、中医学的に涼性で清熱・利水・解毒の作用があり、肝の働きを助け、体内の余分な熱や毒素を排出します。湿熱証(体内に湿気と熱がこもる状態)に効果的で、排尿トラブルや血尿、口の苦み、鼻血、おりものトラブルなどの症状を和らげるとされています。肝が活発になる春の季節に、肝を整え体をリフレッシュさせるせりは、この時期に最適な食材と言えるでしょう。
せり鍋
RECIPE

こんにちは。国際中医薬膳管理師の笹沼歌乃です。中医学の視点から、季節に合わせた薬膳や食材の選び方をご紹介しています。
春は、五臓の肝と深く関わる季節です。肝の機能が低下すると、イライラや憂鬱、頭痛、胃腸の不調、月経障害など、心身にさまざまな不調が現れます。肝は“のびのびとした状態”を好むため、ストレスや環境の変化が多い春には特に注意が必要です。中医学の古典『四気調神大論』では、春の養生法に逆らい心身を酷使すると、肝の働きが乱れ、夏の成長が減少し、寒さからくる病気を引き起こすと記されています。涼性のせりや鴨肉、気を補うきのこ類をたっぷりと取り入れた料理は、肝を労わりたい春の時期の養生にぴったりです。せりを使った鍋で、心身を整え春を健やかに過ごしましょう。
調理時間20分
材料
【2人分】
せり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g(2束)
鴨むね肉・・・・・・・・・・・・・・・150g
山芋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
深ねぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
まいたけ・・・・・・・・・・・・・・・50g
しめじ・・・・・・・・・・・・・・・・・50g
えのき・・・・・・・・・・・・・・・・・50g
枸杞の実・・・・・・・・・・・・・・・10粒
出汁:
昆布・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10cm
干ししいたけ・・・・・・・・・・・2個
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・800ml
醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2
COOKING
- 1800mlの水に昆布と干ししいたけをいれ、30分以上置く。
- 2せりを4等分、鴨むね肉をスライス、深ねぎ、まいたけ、しめじ、えのきを適当な大きさに切る。
- 3①の出汁を火にかけ、出汁が温まったら、醤油と塩をいれる。
- 4③に①で切った材料をいれ火を通す。
- 5山芋をすりおろす。
- 6④に⑤をトッピングして完成。
料理のポイント
- point! 「深ねぎ」は、白ねぎの中でも特に甘みが強く、トロッとした食感が特徴です。せり鍋との相性も抜群です。
- point! 鴨肉が準備できない場合は、鶏肉で代用できます。
- point! 工程④で、せりの根から出汁がでるので、少し早めにいれておくと良いでしょう。
この記事を監修された先生

国際中医薬膳管理師笹沼歌乃
国際中医専門員。国際中医薬膳管理師。登録販売者。
イスクラ産業株式会社中成薬事業本部広報課にて、中医学情報サイト「COCOKARA中医学」の運営。イスクラ中医薬膳講座(主催:イスクラ中医薬学院)で薬膳講師として従事。薬膳の調理実習やイベント開催、SNSの運用を通して中医学を紹介。