監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★☆☆】
みかんは喉や肺を潤し、長引く風邪の回復をサポートします

みかん 涼性/甘味・酸味 気の巡りを整える、食欲不振の解消、口の渇きをいやす、肺をはじめ体全体を潤す など
みかんは、実と皮の両方に薬膳的な効能を持つ果実です。実には、食欲不振を改善する効果や、体を内側から潤す働きがあり、特に肺や口の渇きを和らげる作用があります。また、薄皮の周りにある白い筋(橘絡:きつらく)には、痰を柔らかくして喉の違和感を緩和する働きや、血の巡りをサポートする効果も期待できます。さらに、皮にも効能があり、気の巡りを整えたり、胃の張りによる不調を和らげるなど、みかんは丸ごとすべてに効能がある、捨てるところのない食材です。また、みかんだけでなく、柑橘類全般には、食欲を回復させる働きや、痰を柔らかくして排出をサポートする働き、気の巡りを助ける力があります。栄養学的にも、柑橘類にはビタミンCが豊富に含まれており、免疫力を強化し、体の回復を助ける食材として知られています。
柑橘類のスパイス焼き
RECIPE

冬は寒さによって体力が消耗しやすく、体調を崩しやすい季節です。そのため免疫力も低下し風邪が長引きやすくなります。特に体内の冷えが進むと自己回復力が弱まり、症状が改善しにくくなります。今回は、「柑橘のスパイス焼き」をご紹介します。理気・潤肺・止渇の働きを持つみかんを中心に、色々な柑橘類とスパイスを一緒に焼き上げ、温かいデザートにしました。シナモンと八角、しょうが、クローブは体の中から冷えを取り体を温めます。これらのスパイスと柑橘類を組み合わせることで、体の冷えを取りながら、喉の乾燥や痰を和らげ、免疫力を高める効果も期待できます。冷えからくる長引く風邪にぜひお試しください。
調理時間50分
材料
【つくりやすい分量】
温州みかん(Sサイズ)・・・・・・5個
オレンジ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1個
金柑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5個
いちご・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5個
★シナモンパウダー・・・・・・・・・小さじ2
★八角・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3個
★しょうがパウダー・・・・・・・・・小さじ1
★クローブ・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
★きび糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ4
COOKING
- 1温州みかんとオレンジの皮を剥き5mmほどの厚さに切る。金柑は皮ごと切る。
- 2いちごは半分に切る。
- 3材料の★印を混ぜ合わせておく。
- 4①と②で切った材料を耐熱容器に並べ、③で混ぜ合わせたものを上から振りかける。
- 5190度に温めたオーブンで35分~40分程度、焼き色が付くまで焼く。
料理のポイント
- point! 輸入の柑橘類にはワックスや防腐剤を使用しているものが多いので、必ず皮は剥いて使うようにしましょう。
- point! 柑橘類の皮には気の巡りをサポートする働きがあります。ノンワックスの柑橘類が手に入った時は、皮も一緒に焼くと良いでしょう。
- point! 焼き皿に残った果汁をお湯で割って飲むのもおすすめです。
この記事を監修された先生

中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べられる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。