暑さによる体の熱を和らげる「なすと苦瓜のアジアンサラダ」 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

暑さによる体の熱を和らげる
「なすと苦瓜のアジアンサラダ」

2024.07.09 UPDATE

監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)

【難易度★★☆】
なすは暑さによる体の熱を和らげ、血の巡りをよくし、皮膚の腫れや痛みに役立ちます

なす 涼性/甘味 吹き出物、痔、打撲、打ち身の痛み、皮膚の腫れや疼痛、排便前の下血、歯茎の腫れの緩和 など

なすは、インド・中国東南部が原産地とされています。明時代の書物『本草網目』には、“味甘性寒、散血止痛、去痢利尿、消腫寛腸。主治寒熱五臓労損、温病。(性味は甘で性質は寒、血行をよくし痛みを止め、下痢を改善し、利尿作用があり、腫れを抑え、腸の働きを促す。主に寒熱による五臓の疲労や損傷、温病によいとされる。)”と記されていました。また、『滇南本草』にも、 “性凉,入胃、腸経、清熱涼血、消腫解毒(性質は涼、脾胃や大腸などの消化器系に働き、熱を冷まし、血の巡りを助け、利尿、消腫に優れる”とあります。このことからも、高温多湿の夏にぴったりな食材と言えます。真夏の暑さで体にこもった熱による、口内炎、歯茎の腫れ、歯茎の出血をはじめ、吹き出物など皮膚の腫れや痛みや痔、打ち身などにおすすめです。なすの紫色の色素は、ナスニンと呼ばれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用に優れ、目の健康などにも役立ちます。またアセチルコリン成分が含まれ、自律神経の調和、リラックス感が得られると注目されています。

プリント

なすと苦瓜のアジアンサラダ
RECIPE

猛暑の夏を迎え、高温多湿の気候では体内に熱がこもりやすくなります。強烈な紫外線も加わることで、吹き出物などの皮膚トラブルや歯茎の腫れや痛みが起こりやすくなります。熱がこもったままの状態が続くと、血の巡りが悪くなり、便血や痔が現れることもしばしばです。

 

そんな夏に起こりがちな症状の対策には、なすと暑熱解消に優れる苦瓜、カイワレ大根のサラダがおすすめです。体に潤いを与える帆立貝、豚肉、枸杞の実を合わせ、消化力を強めるトマトも加えることで、さっぱりとしながらも栄養をしっかり摂れるアジアンサラダに仕上げました。ただし、体を冷やす性質の食材を使用しているため、脾胃虚弱や冷え性の方は控えめにしましょう。

調理時間15分

材料

人分】 

なす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1本 

緑豆春雨・・・・・・・・・・・・・・・・・50g 

にんじん・・・・・・・・・・・・・・・・・30g 

苦瓜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5cm 

帆立貝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4個 

豚ひき肉・・・・・・・・・・・・・・・・・50g 

カイワレ大根・・・・・・・・・・・・・少々 

枸杞の実酢漬け・・・・・・・・・・・小さじ2 

昆布茶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100ml 

塩こうじ・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1 

 

調味料: 

ナンプラー・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2と2/3 

レモン汁・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3 

はちみつまたはオリゴ糖・・・少々 

COOKING

  1. 1帆立貝を昆布茶で茹で、次に豚ひき肉を茹で、取り出す。 昆布茶は捨てずにそのままにしておく。
  2. 2苦瓜は薄く短冊切りにして、塩こうじをまぶし、①のゆで汁でさっと湯通しする。
  3. 3なすは短冊切りにして、酢の入った湯で湯通しする。 にんじんは千切りにし湯通しする。
  4. 4調味料の材料を混ぜ合わせる。
  5. 5緑豆春雨を熱湯で3分茹で、水気を切る。
  6. 6①から⑤をすべて混ぜ合わせる。
  7. 7皿に盛りつけ、カイワレ大根と枸杞の実をちらす。

料理のポイント

  • point! なすは酢で茹でることで、きれいな紫色を保てます。
  • point! 昆布茶で食材を茹でることで、旨味が増します。

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この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生

和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。