あの激痛を繰り返さない! 「足のつり」は体質改善で防ぐ - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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あの激痛を繰り返さない!
「足のつり」は体質改善で防ぐ

2024.03.19 UPDATE

監修:楊 敏 先生(中医学講師)

「あ、つりそう……!」そう感じて夜中に目が覚め、結局足がつって激痛にもだえる……。そんな経験をした人は多いのではないでしょうか。特に激しい運動をしたわけでもないのに足がよくつってしまう人は、体質が要因となっていることも。夜中の足のつりを繰り返すと睡眠にも影響してしまうので、積極的に体質を整えいきましょう。

「足のつり」は筋肉の過剰な収縮

“足のつり”は、医学的には「有痛性筋けいれん」と呼ばれる症状。筋肉を伸ばしたり縮めたりする働きに異常が起こり、筋肉が過剰に収縮してしまうことで起こります。そのメカニズムはまだはっきりしていませんが、基本的な原因とされているのは、筋肉の調整に関わる「電解質(主にカルシウムやナトリウムなどのミネラル)」の異常。血行不良、栄養不足、水分不足などの要因で電解質のバランスが崩れると、筋肉の収縮に異常が起こると考えられています。
睡眠中に足がつりやすいのは、汗をかいて脱水傾向になりやすい、ほとんど動かないので血行が低下する、日中の運動や仕事で疲労が蓄積されている、といった原因が重なるため。また、中高年以降になると、筋肉量の低下や血行不良、冷えといった体質の衰えから、足がつりやすくなることもあります。

足がつりやすいのは、“冷え”や“血不足”の体質

中医学では足がつることを「転筋(てんきん)」と呼び、その原因は体内の不調にあると考えます。主な要因となるのは、「寒邪」の侵入による体の冷え。寒邪には “固めて滞らせる(凝滞)” “収縮させる(収引)”という特徴があるため、寒さで体が冷えると、血行不良を招いて筋肉の収縮を起こしやすくなります。
また、「肝血不足」の状態も、足がつる一因に。肝は「血」を貯蔵し、血の栄養や潤いで筋を養っています。そのため、肝の血が不足すると筋に十分な栄養や潤いが行き届かず、足がつりやすくなってしまうのです。
足のつりを繰り返してしまう人は、こうした体質が原因になっていることも。気になる症状があれば積極的に改善し、足のつりにくい体づくりを心がけましょう。

タイプ別・「足のつり」対策

日々の食養生で、冷えや血不足の体質を改善しましょう。適度な運動習慣で筋肉量をしっかり保ち、血行の良い状態を保つことも大切です。

寒凝血瘀タイプ
体が冷えて、血行不良や筋肉の収縮を招いてしまうタイプ。体内の寒邪を追い払い、体をしっかり温めることを心がけましょう。季節を問わず、冷たい飲食を控えることも意識して。

 

<気になる症状>
冷え症、手足の冷えが強い、しもやけができやすい、顔色が白い、頭痛、肩こり、月経痛、経血の色が暗い、舌の色が淡く舌苔が白い

 

<おすすめ食材>
玉ねぎ、しょうが、ねぎ、しそ、にんにく、にんにくの芽、にら、ししとう、ピーマン、いわし、さば、さんま、シナモン、紅花、よもぎ、わさび、山椒、茴香、八角、黒酢 など
〜おすすめメニュー〜
・玉ねぎ入り牛肉の青椒肉絲 ☆肉は温性の牛肉がおすすめ
・シナモン紅茶

 

肝血不足タイプ
「肝」が貯蔵する「血」が不足して、筋肉の栄養や水分も足りなくなってしまうタイプ。日々の食事でバランスよく栄養を取り、体内の血を十分に養うことを心がけましょう。

 

<気になる症状>
めまい、立ちくらみ、目の乾燥、目の疲れ・かすみ、ドライアイ、肌や髪の乾燥、抜け毛、顔色が青白い、爪が白く割れやすい、月経量が少ない、舌の色が淡い

 

<おすすめ食材>
レバー、ほうれん草、小松菜、黒米、ひじき、スペアリブ、カキ、まぐろ、かつお、くるみ、黒ごま、ブルーベリー、いちご、もも、レーズン、プルーン、バナナ、なつめ、枸杞の実、桑の実 など
〜おすすめメニュー〜
・にらレバ炒め
・小松菜、いちご、バナナのスムージー ☆ミネラル、マグネシウムがたっぷり!

暮らしのポイント

・栄養バランスの良い食事を意識して。特にミネラル豊富な野菜を積極的に取りましょう。
・立ち仕事やたくさん運動をした後は、足の裏やふくらはぎをていねいにマッサージ(入浴中がおすすめ)。筋肉疲労を解消することで、足のつり予防につながります。
・適度な運動で筋肉量を維持しましょう。運動前のストレッチも忘れずに。
・季節を問わず、きちんと水分補給を。就寝中は汗をかくので、寝る前、起床後に水分を取る習慣をつけましょう。ミネラルウォーターや電解質を含むスポーツドリンクがおすすめです。

 

<足(ふくらはぎ)がつったときは>
つま先に手をかけて手前に引き寄せ、ふくらはぎをゆっくり伸ばしましょう。つま先に手が届きにくい時は、タオルを掛けて引くのも手です。
足がつると強い痛みに驚きますが、痛みは時間とともに自然とおさまります。慌てずに、落ち着いて対処するよう心がけましょう。

 

<足のつりに効くツボ>
足つりの予防、足がつったときの痛みの緩和に。
承筋(しょうきん):ふくらはぎが最も盛り上がっている部分
承山(しょうざん):アキレス腱が上に伸びて太くなる部分の中央
陽陵泉(ようりょうせん):膝の外側にある骨(腓骨)の下にある窪み

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 敏 先生

楊 敏(よう びん)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。同大学中医診断学研究室常勤講師・同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳を経て、現在、上海中医薬大学附属日本校教授。日本中医薬研究会や漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
主な著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著)『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』、『(実用)舌診マップシート』(東洋学術出版社)など。