「ゼーゼー」「ヒューヒュー」する息に ぎんなん入り大根餅 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

「ゼーゼー」「ヒューヒュー」する息に
ぎんなん入り大根餅

2023.11.14 UPDATE

監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)

【難易度★★☆】
ぎんなんは呼吸気道のトラブルを鎮め、喘鳴を解消します

ぎんなん 平性 /甘・苦・渋味 呼吸気道のトラブル解消、頻尿、遺尿、おりものが多いときに止める働き など

銀杏樹は「公孫樹(こうそんじゅ)」、「植物中の活化石」とも称され、樹齢が長いことからも不老長寿の木とされています。中医学では銀杏(ぎんなん)の実は白果(はくか)と呼び、肺、腎経に帰経します。適応は、斂肺定喘(肺を収斂し、長引く喘息を落ち着かせる)、止帯縮尿(おりものと尿の漏れを止める)働きを有すると考えられています。明時代の医学者 李時珍(りじちん)は『本草綱目(ほんぞうこうもく)』の中で、寒嗽痰喘(寒冷の刺激でサラサラとした薄い痰が多量に出る)、哮喘痰嗽(喘息、痰咳)、咳嗽失声(咳で声が出ない)、小便頻作(頻尿)、小便白濁(尿が白くて濁る)、赤白帯下(おりものに混じった不正出血)などの多岐にわたるぎんなんの適応を記述しています。西洋学的にも。イチョウに関する学術研究が世界的に数多く存在します。その中でも抗菌、袪痰(痰を取り除く)、循環促進、抗酸化作用が注目されます。ぎんなんは邪気旺盛の急性感染症の初期には控え、生で食すと小毒があるので気をつけましょう。

プリント

ぎんなん入り大根餅
RECIPE

立冬を迎え、衣食住の冬支度をする時期になりました。乾燥と寒気が一層強くなり、少し油断しただけで咳、喘息を誘発し易くなります。更に下半身の冷えが気になり、尿漏れ、頻尿、夜尿などの症状もよく見られます。10月、11月収穫で旬の食材ぎんなんは肺(呼吸気道)、腎(下半身、泌尿生殖系)を守ってくれる食材です。中国の古い民間の養生ことわざには、「冬吃萝卜夏吃姜、不用医生开処方、春吃芽、夏吃瓜、秋吃果、冬吃根(冬は大根を食し、夏は生姜を食せば医者いらず。春は芽を、夏は瓜を、秋は果物と木の実を、冬は根菜を食す)」と伝えられています。今回のぎんなん入り大根餅は、秋のおすすめの実ぎんなんと大根のダブルで呼吸気道のトラブルを防いでくれます。また葱をいれることで、大根の涼性を抑え、風邪予防にも役立ちます。

調理時間60分

材料

【2人分】
大根・・・・・・・・・・・・400g
ぎんなん・・・・・・・・12個
金華ハム・・・・・・・・10g
(市販のハム、パンチェッタ可)
ねぎ・・・・・・・・・・・・5cm
塩・・・・・・・・・・・・・・少々
ごま油・・・・・・・・・・大さじ1
上新粉・・・・・・・・・・100g
片栗粉・・・・・・・・・・20g
手油・・・・・・・・・・・・少々

〈タレ〉
酢・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
醤油・・・・・・・・・・・・小さじ1
ごま油・・・・・・・・・・少々

COOKING

  1. 1大根を千切りにする。金華ハム、ねぎ、ぎんなんを粗みじん切りにする。
  2. 2フライパンにごま油をしき、みじん切りのハム、ねぎを香りがでるまで炒める。
  3. 3②に大根とぎんなんを加え、水を加減しながらしんなりするまで炒めたら塩を少々加える。冷まし、しっかりと汁を切る。(汁は捨てない)
  4. 4③の汁を150mlになるよう水で調節する。
  5. 5上新粉と片栗粉と④の汁を混ぜ合わせる。蒸し用の皿に入れ30分~40分程蒸し、自然に冷ます。
  6. 6⑤を適当なサイズに切り分け、フライパンで軽く両面焼きつける。
  7. 7お好みでタレと一緒にいただく。

料理のポイント

  • point! 金華ハムは、市販のハム、パンチェッタでも代用できます。
  • point! 蒸す時間は、皿や型の厚さによって変わるので様子を見ながら蒸し時間を調節しましょう。
  • point! 秋におすすめの実のぎんなん。栗も同様におすすめですよ。

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この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生

和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。