フレイル対策に胃腸と骨を強くする 栗のポタージュ - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

フレイル対策に胃腸と骨を強くする
栗のポタージュ

2023.10.10 UPDATE

監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)

【難易度★☆☆】
栗は、胃腸虚弱、骨や腰・足の衰えを改善します

栗 温性/甘味 胃腸を健やかに保つ、腎の滋養、筋骨を強化、 フレイルの改善 など

中国の唐代の医学者で、「薬王」とも称され孙思邈(そ しえん)は、「栗は腎臓の果物である」と『千金方·食治』に記されていました。また、明代の医学者・李時珍(り じちん)は、『本草綱目(ほんぞうこうもく)』の中に、「栗は甘味で温性、脾・胃・腎の経絡に入る」と記述しています。このことからも、栗は、古くから食され薬膳としても活用されてきたことがうかがえます。中医学で栗は、気力を養い、脾、胃、腸を健やかに保ち慢性の下痢や胃もたれ吐き気を改善します。また、歯や骨、筋肉を強化する働きを持ち高齢者の頻尿、歯のぐらつき、足腰の脱力感などにも役立ちます。糖尿病、気滞タイプの方は控えるようにしましょう。

プリント

栗のポタージュ
RECIPE

10月は暦上寒露(かんろ)を迎え、昼夜の温度差が大きくなります。中国では“寒露養生不露脚、養護腸胃防腹瀉(寒露の養生は下半身、足を露出してはならず、胃腸を大事にし、下痢を予防すべき)”という養生の諺があります。栗のポタージュは、旬の栗を使った寒露の養生にぴったりのレシピです。今回は胃腸にやさしい豆乳を使用し、胃腸を温め、元気を補います。冷えからくる下痢予防も期待できます。冬に向かって多くなる症状の下半身の冷え、足・腰の虚弱対策にくるみ、ごま、枸杞の実を加えました。これらの食材は、骨や関節、筋肉の滋養を助けエイジングケアにもお役立ていただけます。

調理時間20分

材料

栗・・・・・・・・・・・・6粒
豆乳・・・・・・・・・・300ml
くるみ・・・・・・・・10g
水・・・・・・・・・・・・100ml
枸杞の実・・・・・・小さじ1
紫蘇・・・・・・・・・・2枚
白練り胡麻・・・・小さじ1/2
塩・・・・・・・・・・・・少々

COOKING

  1. 1枸杞の実は少量の湯でもどしておく。
  2. 2くるみは、10分ほど水に浸ける。
  3. 3栗の皮をむき10分ほど茹で、②のくるみと一緒にミキサーにかける。
  4. 4鍋に③と豆乳を入れ、塩と白練り胡麻で味を整える。
  5. 5紫蘇を千切りにする。
  6. 6④を器にいれ、①の枸杞の実と紫蘇を散らす。

料理のポイント

  • point! 栗は市販のむき栗を使っても構いません。
  • point! 豆 乳は沸騰させると分離することがあるので、豆乳を加えた後は煮立てすぎないように気をつけてください。

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この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生

和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。