「第5回アジア太平洋地域中医薬サミット」開催レポート - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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「第5回アジア太平洋地域中医薬サミット」
開催レポート

2023.07.04 UPDATE

中医学は世界の財産 Vol.1

病気をピンポイントで治療する西洋医学に対し、体全体を整えることで根本から不調を改善していく中医学。現代はそのメリットを治療に取り入れる医師が増え、中医学は世界の医療に確実に広がっています。そうした中、日本で開かれた「第5回アジア太平洋地域中医薬サミット」。今回は、国内外の中医学専門家が一堂に会したその開催の様子をお届けします。

[ 開催概要 ]
名称:第5回アジア太平洋地域中医薬サミット
開催日:2023年5月7日(日)・8日(月)
主催:日本中医薬研究会、世界中医薬学会連合会
共催:イスクラ産業株式会社
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中医学の専門家が日本に集結

「第5回アジア太平洋地域中医薬サミット」が開催されたのは、2023年5月7日(日)・8日(月)の2日間。5月にしては少し肌寒く感じる雨の中、会場の幕張メッセ国際会議場(千葉県千葉市)には国内外から多くの参加者が集まりました。メインテーマは『世界はひとつの中医薬』。アジア太平洋地域における中医学のさらなる発展と交流、中医学による健康増進への貢献を目的とし、日本中医薬研究会と世界中医薬学会連合会の主催で開催されました。また、当日は日本中医薬研究会「第26回学術シンポジウム」、世界中医薬学会連合会皮膚病専門委員会年会「第13回皮膚病国際学術大会」も同時開催。治療実績や研究成果などの最新知見も発信され、現地会場とオンライン視聴には、皮膚病、鍼灸、薬膳を専門とする医師、薬剤師、鍼灸師、薬膳研究家ら約450名の参加がありました。
サミットの冒頭では、日本中医薬研究会会長の乾康彦氏があいさつ。「前回2019年に続いて日本で中医学の国際的な学会を開催できることを嬉しく思う。中医学のさらなる普及を目指し、日本から吹きはじめる新しい中医学の風を感じていただく機会になれば」と話しました。
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日本中医薬研究会会長 乾康彦氏
また、世界中医薬学会連合会副秘書長の陳立新(ちん・りっしん)氏は、「サミットのテーマは『世界はひとつの中医薬』。中医学は中国の財産であるだけでなく、世界共有の財産でもある」と力強く語るとともに、鑑真和上の伝記にある『山川異域、風月同天』(離れていても繋がっているの意)を引用。突如として拡がったコロナ禍において、日本中医薬研究会とイスクラ産業から迅速な救援物資の支援があったことに改めて感謝の意を述べました。そして、設立20周年を迎える世界中医薬学会連合会の大会を、フィリピン・マニラ市で11月に開催することを発表しました。
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世界中医薬学会連合会副秘書長 陳立新氏
続いてあいさつに立ったのは、日本での中医学普及に取り組むイスクラ産業代表取締役社長・陳志清(ちん・しせい)。「中医学の弁証論治、未病先防という考え、中薬、鍼灸、薬膳により長年積み重ねられた有効な方法と臨床経験が、これからもより多くの人の健康と幸せに役立つと信じている。日中医学交流の新しい1ページをともに作っていこうではありませんか」と会場の参加者に呼びかけました。
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イスクラ産業代表取締役社長 陳志清
その後、会場では20を超える臨床・学術研究の発表を実施。その内容は、皮膚病(アトピー性皮膚炎や慢性じんましんなど)の診療・治療技術、アンチエイジングや女性の健康のための薬膳、鍼灸の臨床研究成果など多岐に渡り、会場では活発な意見交換や情報交流が行われました。
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鍼灸の技術向上を目指して。「日本中医鍼灸研究会」発足

サミット当日には、世界中医薬学会連合会の協力により発足した「日本中医鍼灸研究会」の設立発表も行われました。この研究会は、鍼灸に関する理論理解を深め、より高い技術の習得を目指すもの。初代会長には、鍼灸治療に30年以上もの実績を持つ賀偉(が・い)氏(中国針灸精誠堂院長)が就任し、発足にあたり「鍼灸で良い効果をもたらすには常に研鑽が必要。自分が培ってきた経験を後進に伝え、鍼灸の理論や手技、症例検討を行うことで、中医学の一部である鍼灸の応用の幅を広げていきたい」と抱負を語りました。

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中国針灸精誠堂院長 賀偉氏

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日本中医鍼灸研究会

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