監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★★★】米麹は胃の不快感の改善や疲労回復に役立ちます
米麹 温性/辛甘 消化不良の改善、膨満感、胃もたれ、疲労回復、便秘解消
米麹は蒸した米に麹菌を繁殖させたもので、一般的には黄麹カビを付けて培養されたものです。栄養学的にはビタミンB1,B2,ビオチンなどのビタミンB群や食物繊維が豊富で、美容効果や疲労回復に良いとされています。また、中医学的には、温性に属し、脾胃(ひい)の働きを助けるので、脾胃が弱く虚弱体質な人や疲れやすい人におすすめの食材とされています。
米麹味噌
RECIPE
発酵食品のブームもあり、最近ではお味噌を手作りする人が増えています。紀元前700年頃に中国大陸から伝わったとされる味噌ですが、室町時代には大豆の栽培が広がったことで、自家醸造が広がったとされています。それぞれの家毎に塩の配合や麹の配合があり「手前味噌」として楽しんでいたようです。
麹の力で発酵した大豆は保存性が高まるだけでなく、消化吸収や栄養価、旨味も増します。それによって、湿気が多く胃腸の弱い日本人の体に合う食品と変化した味噌は味噌汁や炒め物、煮物等の調味料としても使える発酵麹調味料になります。一般的に販売されているお味噌は13~15%程の塩が使われているものが多いですが、手作りにすれば塩の量も調節できますので、塩分が気になる人にも手作り味噌はおすすめです。
調理時間作業時間(4時間)
材料
【出来上がり1kg】
乾燥大豆……………………220g
米麹…………………………450g
塩……………………………100g
保存袋………………………数枚
消毒用食用アルコール……適量
※熟成期間6ヶ月
COOKING
- 11晩水に漬けて戻した大豆を柔らかくなるまで茹でる
- 2ボウルに塩と麹を入れ手を使って良く混ぜる。 別のボウルで茹でた大豆を450g計量し手で粒がなくなるまで潰す
- 3②の塩と麹、潰した大豆を均一に混ぜたら、小さい拳大に丸めながら空気を抜いていく
- 4保存袋の内側にアルコールを吹きかけ殺菌した後、③を空気が入らない様に詰め込んでいく
- 5最後に表面を平にし、再度アルコールをふりかけ空気が入らないように、しっかりと口を閉める。 日の当たらない涼しい部屋で約6か月発酵熟成させる
料理のポイント
- point! 水につけて吸水させた大豆は、重量が2.2倍~2.3倍になります。大豆が水面から露出しないように、浸水容器は3~4倍のものを準備しましょう。
- point! 大豆は指で簡単につぶれるくらいまで柔らかく煮ます。普通の鍋で3~4時間、圧力鍋を使用する場合は、15分加圧しそのまま圧が抜けるまで自然放置します。
- point! 味噌たまりが上に出てきたら、袋の上下を返して全体に水分が回るようにします。また、味噌と袋の間に空気の隙間が出来ないようにマメに空気を抜きましょう。カビ予防にもなります。
この記事を監修された先生
中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べれる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。