冬のケアで差がつく! 目元の「シワ」「たるみ」対策〈二十四節気の中医美容学:立冬・小雪〉 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

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冬のケアで差がつく!
目元の「シワ」「たるみ」対策
〈二十四節気の中医美容学:立冬・小雪〉

2021.11.02 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン Vol.67

11月の節気(※)は「立冬」と「小雪」。冷たい木枯らしが吹き、木々の葉も落ちて、冬の足音が近づいてきます。まだ積もるほどではないけれど、初雪の便りも聞こえ始める季節です。この頃の強い乾燥や冷えは、肌への影響も大。特に目元のダメージは大きく「シワ」や「たるみ」が目立たちやすくなるので、ていねいなケアで潤いのある肌を守りましょう。
※二十四節気:1年の気候変化を24に分けて表したもの

目元は乾燥ダメージを受けやすい

老け顔の2大要因とも言われる目元の「シワ」「たるみ」。特にマスク生活では目元に視線が行きがちなので、悩みの種となっている女性も多いのではないでしょうか。
そもそも目の周りは“皮膚が薄い・皮脂腺が少ない・筋肉が少ない”という特徴がそろっていて、シワやたるみができやすいパーツ。肌の潤い保持力がとても弱いため、空気が乾燥すると目元の乾燥も一気に進み、シワやたるみが目立つようになります。
さらに、冬の寒さで血行が悪くなることも一因に。肌に潤いや栄養が十分行き渡らず、乾燥を招いてシワやたるみができやすくなるのです。
また、笑ったりまばたきをしたりと、目元は1日中よく動きます。こうした絶え間ない動きが皮膚の負担となり、シワやたるみができることも。そのほか、加齢による肌のハリ・潤い成分(コラーゲンなど)の減少、眼精疲労などもシワやたるみの要因となります。

「気」と「津液」の不足がシワ・たるみの要因に

中医学では、シワやたるみができやすいのは「気陰両虚」体質の人と考えます。「気」は体のエネルギーで、体力や免疫力の源。肌の弾力、ターンオーバーも気のエネルギーが支えているため、気が充実していればハリのある元気な肌が保たれます。
一方、「陰」は「陰液」ともいい、栄養分を含む水液の総称で、主に体の潤いを保つ「津液(水分)」のこと。津液が充実していれば体も潤い、なめらかでツヤのある肌が保たれます。
このように、気と津液が体内に十分あれば、肌は潤って健やかに。反対に気と津液が不足した気陰両虚の状態になると、乾燥やハリの低下を招いてシワやたるみができやすくなります
冬は空気の乾燥が続き、体内の津液を消耗しやすい時期。気陰両虚の人はさらに潤い不足が進み、肌の乾燥も強くなります。シワやたるみはもちろん、放っておくとかゆみや湿疹といったトラブルにもつながるので、体質からしっかり改善して肌の潤いを守ることが大切です。

 

体質改善で肌の元気と潤いをアップ

「気陰両虚」の人は、不足している「気(エネルギー)」と「津液」を充実させて体の中から潤いアップを。冬の乾燥から肌を守り、目元のシワやたるみを予防しましょう。
【 気陰両虚の体質チェック 】
当てはまる項目が3つ以上あれば、気陰両虚と考えて。
–––––––––––––––
□疲れやすい
□アレルギー性疾患がある
□筋力の低下、たるみやすい
□冷え
□乾燥肌
□肩やすねに白い粉がふく
□かかとのひび割れ
□目の乾燥
□口の乾燥
□髪のパサつき
□のどが乾きやすい
□便秘気味
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【 食養生 】
●気と潤いを養う食材を積極的に
魚、肉、豆類、きのこ類、海藻類、れんこん、オクラ、山芋、手羽先、ふかひれ、梨、白きくらげ、ぶどう、いちじく、りんご、みかん、はちみつ など
●水分補給はしっかりと
冬は強い乾燥で体内の潤いを消耗しがち。こまめに水分を取り、体に潤いを補給しましょう。
●体を乾燥させるものは控えめに
刺激のある香辛料(唐辛子、胡椒など)、スナック菓子、せんべい、ナッツ類、アルコール など
[おすすめ生薬]
沙棘(サージ)、真珠、阿膠(あきょう)、哈士蟆油(はしまゆ)、亀甲(きっこう)、すっぽん、黄耆(おうぎ)、西洋人参、高麗人参 など
【 暮らしの養生 】
・頭皮マッサージ:両手の指の腹で、額から頭頂部に向かって優しく押しながら移動します。10回ほど繰り返し、これを1日2〜3回。
・加湿器を上手に使って。冬の室内はエアコン(暖房)の影響で湿度がぐんと下がります。
・豊かな表情は素敵ですが、過剰になるとシワの原因に。日常は“少し控えめ”くらいを意識して。

保湿ケア&マッサージで目元すっきり

冬の目元は“しっかり保湿”が基本。合わせてツボマッサージを習慣にして、目の周りの血流アップ、たるみ予防をめざしましょう。
【 スキンケアのポイント】
・アイメイクを落とす時は、こすらず優しく。ゴシゴシこすると目元の薄い皮膚が傷つき、乾燥やシワの原因になります。
・乾燥する季節は“目元パック”を習慣に。専用シートなどで潤いをしっかり浸透させましょう。
・補水(化粧水)+ 保湿(乳液やクリーム)で肌にしっかり潤い補給。どちらか一方では十分な潤いをキープできないので気をつけて。
・肌のバリア成分に作用するクリームなどで保湿力アップを。優しくゆっくり揉み込むことがポイントです。
[おすすめ商品]
セ・サージクリーム(沙棘(サージ)、真珠抽出成分などを配合した保湿クリーム)
【目のツボマッサージ 】
目の周りにはたくさんの神経や血管が集まっていて、ツボのマッサージが効果的。疲れが取れ、血流も良くなり、目元がすっきりします。
[ポイント]
・それぞれのツボを1日2セット、小さな円を描くように押しましょう(下記の順)。
・目の周りは皮膚が薄くデリケート。こすったり、力を入れすぎたりしないよう気をつけて。
●目の周り全体のマッサージ
1日2回くらいを習慣に。
① 太陽(たいよう):こめかみのやや目尻寄りのくぼみ
② 承泣(しょうきゅう):左右の目の真下の骨
③ 睛明(せいめい):左右の目頭の上のくぼみ
④ 攅竹(さんちく):目頭のくぼんだところ
⑤ 魚腰(ぎょよう):眉毛の真ん中あたり
⑥ 絲竹空(しちくくう): 眉毛の一番外側
●目尻のポイントマッサージ
気づいた時に手軽に。
① 絲竹空(しちくくう): 眉毛の一番外側
② 瞳子髎(どうしりょう):太陽の少し内側
③ 太陽(たいよう):こめかみのやや目尻寄りのくぼみ

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など