季節をたのしむお茶講座vol.4~冷えた体を温めるチャイ~ - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

STUDY中医学の基礎

季節をたのしむお茶講座vol.4
~冷えた体を温めるチャイ~

2019.01.17 UPDATE

監修:飯田 善彦(イスクラ産業株式会社 開発課)

たかが冷え、されど冷え!

冷え性で悩む女性にとって冬は、凍える寒さを耐えしのぐ時期。寒さに加えインフルエンザやノロウイルスなどの感染症も流行するので外出が億劫な方も多いのではないでしょうか。

たしかに冷え性は病気ではありませんが、さまざまな不調につながる要素と考え、中医学では、「治未病(ちみびょう)」つまり“まだ病気が成立していない状態を治療すること”をとても大切にしています。

冬に注意したい「冷え」と「陽虚(ようきょ)」

中医学において体温は、「陽気(ようき)」の働きで一定に保たれていると考えられています。その働きが低下した状態を「陽虚(ようきょ)」と呼びます。
「陽虚」の症状としては、気温の低下とともに冷えが悪化するだけではなく、腰痛の悪化、冷えて胃腸の働きの低下による慢性的な消化不良、疲れやすい、むくみやすい、頻尿などの症状が顕著になってくる場合があります。

体を温めるスパイスで冬を乗り切る!

冬の寒さには、体を温める作用が強いナツメグやオールスパイス、しょうがなどの香辛料を利かせたチャイがおすすめです。
●ナツメグ
ナツメグは、ハンバーグなどの肉料理に用いられるスパイス。エキゾチックで甘くスパイシーな香りは、プディングや果物のコンポートにも大変相性が良い香辛料です。このナツメグは、生薬名を「肉豆蔲(にくずく)」といい、中医学では冷えからくる消化不良や下痢などの胃腸の不調に良いとされます。
●オールスパイス
オールスパイスは、別名を百味胡椒(ひゃくみこしょう)とも呼ばれ、シナモン・クローブ・ナツメグ・こしょうの香りを併せ持つ香辛料といわれています。冷えた体を辛味で温めてくれます
●しょうが
しょうがは、熱帯アジアが原産と考えられ、食用だけでなく薬用としてアーユルヴェーダや中医学の礎となった古代の医学書にも記載されています。さまざまな漢方処方に配合され、生薬名は「生姜(しょうきょう)」です。体を温めて発汗を促すことで「寒邪(かんじゃ)」(寒さによる邪気)を発散し、冷えによる不調を取り除きます。また、胃腸の働きを整える効果も期待できます。

ナツメグ(左)とオールスパイス(右)

チャイに使用するお茶は「アッサム紅茶」がおすすめ!

アッサムの紅茶に使われる茶葉は、日本茶、中国茶などに加工されるチャ(Camellia sinensis)とは異なるアッサム種(C. sinensis var. assamica)を使用しており、力強い味わいを持っています。そのため、チャイのように香辛料やミルクを加えても紅茶の味わいが引き立ちます
【チャイのレシピ】
・材料(ティーカップ2杯分 (1杯150ml×2))
紅茶……………………………………………4g(ティーバッグなら2つ使用)
ナツメグ(粉末のもの)……………………小さじ1/2
オールスパイス(粉末のもの)……………小さじ1/2
しょうが(皮をむき千切りにしたもの)…10g
水………………………………………………100ml
牛乳……………………………………………200ml
・作り方
(1)鍋に紅茶、ナツメグ、オールスパイス、しょうがを入れた後、水100mlを入れ加熱します。
(2)沸騰して2分間弱火で煮出します。
(3)牛乳200mlを加え、よくかき混ぜながら沸騰直前まで加熱します。
(4)茶こしでこしながらカップに注ぎ完成
【ポイント】
お好みで、はちみつなどで甘みを加えるといっそう美味しくなります。
冬の冷えは関節痛や頭痛の原因になることも。チャイで冷えた体を温め、冬を元気に過ごしましょうね。ぜひこのチャイをお試しください。

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この記事を監修された先生

イスクラ産業株式会社 開発課飯田 善彦

飯田 善彦(いいだ よしひこ)
中成薬(生薬製剤や漢⽅製剤など)や中国伝統医学にもとづく健康食品の製造販売を行うイスクラ産業株式会社で、主に研究開発を行っている。