監修:金井 ひかり 先生(国際中医薬膳師)
【難易度★★☆】白きくらげは肺の働きを高め肌に潤いを与えます。
白きくらげ 平性/甘味 美肌、から咳の改善
白きくらげは楊貴妃が美しさを維持するために食べていたと言われるキノコの一種です。白きくらげ特有の成分「シロキクラゲ多糖体」が含まれることから、ヒアルロン酸を凌ぐ保水力があると言われています。継続して食べると、肌の乾燥、しわ、たるみの予防・改善が期待できます。また、その潤い作用は、喉の渇き、から咳、便秘にも効果的です。
白きくらげの薬膳美肌鍋
RECIPE
秋が深まると、空気の乾燥が強くなり日に日に寒さが増していきます。肌の乾燥やしわ・たるみが気になるこの季節は、皮膚や皮膚の粘膜と関連の深い「肺」を潤し、肺の機能を高める事が大切です。今回は、肺や身体に潤いを与える白きくらげ、ホタテ、れんこんに加え、血液を補うにんじんやしめじ、肌を潤し血液を巡らせる水菜を加えました。潤いを与える食材には、身体を冷やす食材が多いので、体を温める作用のあるしょうがでバランスをとっています。
ホタテは体に潤いを与え、「腎」の働きを高めて老化を防ぎ、疲労回復にも良い食材です。同じく体に潤いを与え、「腎」、「気」(エネルギー)、「血(けつ)」を補い、滋養強壮にも良い豚肉もおすすめです。
調理時間60分
材料
【2人分】
白きくらげ………10g
白きくらげ………10g
ホタテ……………6個
にんじん…………小1本
しめじ……………1/2株
水菜………………1束
れんこん…………100g
おろししょうが…大さじ1
れんこん…………100g
おろししょうが…大さじ1
水…………………500㏄
昆布………………5g
酒…………………大さじ1
しょうゆ…………小さじ1
塩…………………小さじ1
COOKING
- 1白きくらげはよく洗い30分水で戻す。同時に、土鍋以外の別の鍋に500ccの水を入れ昆布を30分浸しておく。戻した白きくらげは硬いところがあれば切り取り、食べやすい大きさにちぎる。
- 2昆布を浸した鍋に白きくらげを加え弱火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出す。蓋をして20~30分、白きくらげが柔らかくなるまで煮る。
- 3ホタテは塩水でさっと洗う。にんじんはピーラーで縦に薄く削ぐ。 しめじは小房に分ける。水菜はざく切り。れんこんは黒い所だけ取り除き、皮や節も一緒にすりおろす。
- 4ホタテ、にんじん、しめじは土鍋に盛りつけておく。
- 5②に酒、しょうゆ、塩を加えて混ぜ、おろしたれんこんを入れる。
- 6④の土鍋に⑤を注ぎ、蓋をして中火で5~10分煮込む。具材に火が通ったら、おろししょうがと水菜を加える。
- 7味を見て、薄ければ塩で味を整えてできあがり。
料理のポイント
- point! 白きくらげは、とろっとするくらい柔らかく煮た方が身体に吸収されやすくなると言われています。②で柔らかくなるまで煮込みましょう。
- point! れんこんの節は藕節(ぐうせつ)という生薬の一つで、咳止めや止血に使われます。黒い所だけ取り除き皮や節も一緒にすりおろしましょう。
- point! 土鍋に具材を盛り付けてから出汁を注ぐと、仕上がりが崩れず美しくできます。
この記事を監修された先生
国際中医薬膳師金井 ひかり 先生
金井 ひかり(かない ひかり)
那須塩原市の薬膳レストラン『おいしい薬膳 白牡丹』主宰・オーナーシェフ。
調理師学校講師を経て、日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)に入学。卒業後は日本中医栄養薬膳学研究会で薬膳調理実習講師を担当した後、行政による薬膳講座など全国各地で講師を務める。食を通して自然とつながり、食の持つ癒しの力で心と身体が元気になる薬膳を提供している。