気血の滞りからくる頭痛に「カラフルピーマンのパエリア」 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

気血の滞りからくる頭痛に
「カラフルピーマンのパエリア」

2018.03.27 UPDATE

監修:矢留 江里子 先生(国際中医薬膳師)

【難易度★★☆】
ピーマンは「肝」の働きを正常にし、精神を安定させ血流をよくします

ピーマン 平性/甘味 精神安定・血栓予防・食欲増進など

ピーマンは「肝(かん)」(肝臓)の働きを整え、「気」(エネルギー)の巡りを良くします。精神的な揺らぎ、イライラや不安感を解消し、心を穏やかに鎮めます。また、血液凝固を防ぐため、血栓予防に良いと言われています。胃の調子を整えるので、食欲不振のときにもおすすめです。

ピーマンの細胞は縦に並んでいて、横に切ると細胞が壊れて独特の青臭さが立ちます。苦手な方は縦切りにしてみてください。ピーマンを選ぶ時は、ヘタを含め全体的にハリとツヤのあるものを選びましょう。

ピーマンは唐辛子の仲間です。緑色のピーマンは未熟果で、完熟すると赤くなり青臭さも抜けていきます。
肉厚のパプリカも唐辛子の仲間で、甘くジューシーな食感があります。緑のピーマンと同様ビタミンC、カロテンが豊富です。

プリント

カラフルピーマンのパエリア
RECIPE

中医学でいう「肝」は「血(けつ)」を蓄え、全身の「気」を巡らせ、自律神経や新陳代謝の働きをコントロールしています。過度なストレスを受けると肝の機能が低下し、気血の流れが悪くなるので、頭痛やめまい、イライラや抑うつなどが起こりやすくなります。日頃から心を伸びやかにして、ストレスを上手に発散させましょう。

今回のパエリアはピーマン、パプリカをたくさん使ったほかに、あさり、サフラン、えびを合わせました。あさりは血を補い精神を安定させ、春のイライラや五月病の予防に良いとされています。サフランは血液の循環を良くし、血行不良による痛みや内出血を予防します。えびは足腰の冷えや疲労回復、血行不良の緩和に効果的です。
食事、運動、休養をバランスよくして「気」「血」の巡りを良くするよう心がけましょう。

調理時間40分

材料
【3~4人分(24センチフライパン)】
米……………………2カップ
サフラン……………20本
ピーマン……………2個
パプリカ(赤)……1/2個
パプリカ(黄)……1/2個
玉ねぎ………………中1個(約200g)
にんにく……………1かけ

えび…………………8尾
あさり………………200g

水……………………400cc
トマト缶……………1/2缶(200g)
オリーブオイル……大さじ5
塩……………………小さじ1と1/2
レモン………………お好みで

COOKING

  1. 1水400㏄を鍋で沸騰させたら火を止め、サフランを入れてサフラン湯をつくっておく。
  2. 2ピーマンとパプリカは繊維に沿って幅1.5センチほどで縦に切り、玉ねぎはみじん切り、にんにくは包丁の腹などで潰してからみじん切りにする。
  3. 3フライパンにオリーブオイルをひき、えびを両面色が変わるくらい焼いたら、あさりを入れ蓋をする。あさりの殻が開いてきたら火を止め、汁を残してあさりとえびをいったん取り出す。
  4. 4③のフライパンにニンニク、玉ねぎを順に入れ炒める。トマト缶を入れかき混ぜたら、①のサフラン湯を入れ塩を加える。
  5. 5米を洗わずに④に投入、1分くらい強火で底からはがすようにかき混ぜてから蓋をして中火で4分。
  6. 6弱火にしてピーマン、パプリカを入れて15分。 最後にえび、あさりを戻して火を止め、蓋をして温まるまで3分蒸らす。レモンを飾る。

料理のポイント

  • point! 有頭えびを使うと良い出汁が出ます。
  • point! ピーマンはパプリカに比べて肉薄で、熱を加えると変色しやすいです。少し大きめに切って⑥でえびとあさりを戻すときにフライパンに入れると、変色しにくく歯ごたえよく仕上がります。
  • point! ごはんにおこげができるくらいがちょうど良い仕上がりです。 コンロによって火加減が違うので焦がしすぎないよう調節してください。

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この記事を監修された先生

国際中医薬膳師矢留 江里子 先生

矢留 江里子(やとめ えりこ)国際中医薬膳師。登録販売者。フードコーディネーター。食空間コーディネーター。NPO日本食育インストラクター。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)卒業。自然療法の料理教室の課程を修了。企業のイベントなどで薬膳講師を務める。イスクラ薬局勤務を経て2023年11月より、吉祥寺にて漢方薬店「薬食同源totonou漢方」 主宰。