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ウイルスに負けない! 免疫力アップで冬の感染症予防

STUDY中医学の基礎

ウイルスに負けない!
免疫力アップで冬の感染症予防

2023.01.17 UPDATE

寒さが本格的になると、心配なのがインフルエンザや新型コロナウイルス、ノロウイルスなどの感染症。予防をするためには、ウイルスに負けない強い体を保つことが大切です。体質改善は、“病気の予防”に力を発揮する中医学の得意分野。日々のケアで体を健やかに整え、免疫力アップで冬を元気に乗り切りましょう。

ウイルスは“低温・乾燥”が好き

冬は感染症が流行しやすい季節。一般的なかぜをはじめ、インフルエンザ、RSウイルス、新型コロナウイルス、ウイルス性胃腸炎などの感染症にかかりやすくなります。その理由は、ウイルスが低温(気温15°C以下)、乾燥(湿度40%以下)の環境を好み、冬は生存期間が長くなるため。また、空気が乾燥すると、ウイルスを含んだ飛沫の水分が失われ、小さく軽くなります。すると、空気中に長く浮遊するようになり、感染が起こりやすくなるのです。さらに、冬は人の体もウイルスに感染しやすい状態に。これは、鼻やのどの粘膜が乾燥して防御機能(ウイルスを排出する力)が弱くなり、体温が低下して免疫力も落ちやすくなるためです。ただし、同じようにウイルスに接触しても、感染症にかかる人、かからない人がいます。これは、体の免疫力が強いかどうかに関わること。そのため、感染症を予防するためには免疫力の強い体質を保つことが大切なのです

予防のカギは「正気」「衛気」の充実

中医学では、体の免疫力にあたるエネルギーを「正気」と言い、“正気が充実していれば、ウイルスなどの邪気に体を侵されることはない(正気存内、邪不可干)”と考えます。正気は体全体の基本となるエネルギーで、体内の「気」「血」「津液(潤い)」がバランスよく保たれることで充実します。また、正気はさまざまな気(宗気、営気、元気など)で成り立っていますが、中でも病気予防の要となるのが「衛気」です。衛気は体の表面(皮膚、鼻やのど、胃腸などの粘膜)に張り巡らされ、ウイルスなどの侵入を防ぐ“防衛力”となる気。また、全身を巡って体を温める働きもあります。免疫力は体温が1°C下がると30%低下するとも言われるため、免疫力を強く保つ上でも、衛気は重要な役割と果たしているのです。このように、免疫力を高めて感染症を予防するためには、体内の正気・衛気を充実させることがカギ。食事や生活習慣の改善で積極的に体を整え、ウイルスに負けない強い体質づくり心がけましょう。
 
<ワンポイント>
衛気は、昼間は表面を巡って体をガードしていますが、夜になると体内に戻ります(臓腑を養う時間)。つまり、夜間は体の防御力が弱くなるということ。無理をするとかぜなどの感染症にもかかりやすくなってしまうため、睡眠はしっかり取ることが大切です。
 

日々の食養生で免疫力アップ!

正気と衛気を充実させるためには、バランスよく栄養を取り、体内の「気」「血」をしっかり養うことが大切。また、冬は寒さで冷えがちなので、体を温めて免疫力の低下を防ぐこともポイントです。
 
< 気・血を養う食材 〜免疫力を充実させる〜 >
長芋、山芋、じゃがいも、かぼちゃ、にんじん、ピーマン、パプリカ、キャベツ、ほうれん草、小松菜、カリフラワー、ブロッコリー、アスパラガス、しいたけ、舞茸、えのきたけ、エリンギ、ひじき、大豆、黒豆、鶏肉、豚肉、いちご、りんご、キウイ など
 
<おすすめ生薬>
・黄耆
気(特に衛気)を補う作用があります。この黄耆に匹敵するとも言われる食材が牛肉なので、食事に積極的に取り入れて。免疫力を高めるきのこ類などと合わせるのがおすすめです。
 
<気・血を養うメニュー>
・牛肉とエリンギ、パプリカの炒めもの
・長芋、舞茸、黒豆、鶏肉の炊き込みご飯
・りんごといちごのジュース
 
<体を温める食材 〜強い免疫力を保つ〜 >
しょうが、ねぎ、玉ねぎ、にんにく、にら、らっきょう、にんじん、海老、鶏肉、牛肉、羊肉、いわし、さば、あじ、まぐろ、シナモン、ごま、くるみ、山椒、八角、茴香、みそ など
 
<おすすめ生薬>
・生姜(しょうが)
冷えを取り除く、胃腸を温める、吐き気を止める、発汗・解熱といった作用があります。寒気を感じた時、かぜの初期などには「しょうがくず湯」を飲むと楽になるのでおすすめ。
 
<体を温めるメニュー>
・たっぷりしょうがのさばの味噌煮
・じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、鶏肉のカレー(シチューや鍋料理もおすすめ)
・しょうがくず湯
 

生活習慣のポイント

・偏食はNG。バランスの良い食事を心がけ、しっかり栄養を取ることを心がけて。
・暴飲暴食、冷たい飲食は避け、胃腸の働きを健やかに保ちましょう。
・睡眠を十分取って疲れを溜めないように。過労や睡眠不足は免疫力の低下につながります。
・冬は運動不足になりがちです。適度な運動を心がけ、体力を保ちましょう。
・人混みをなるべく避け、室内では換気、加湿を心がけましょう。
 
〜免疫力アップのツボケア〜
1日1回、「足の三里」をマッサージするか、市販のお灸で温めましょう。胃腸が弱い人、かぜを引きやすい人には特におすすめです。

PROFILE

中医学講師楊 敏 先生

楊 敏(よう びん)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。同大学中医診断学研究室常勤講師・同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳を経て、現在、上海中医薬大学附属日本校教授。日本中医薬研究会や漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
主な著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著)『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』、『(実用)舌診マップシート』(東洋学術出版社)など。

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