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秋の「のどトラブル」は カラダの乾燥サイン

STUDY中医学の基礎

秋の「のどトラブル」は
カラダの乾燥サイン

2022.11.15 UPDATE

爽やかな風が気持ちのいい秋本番。一方、この時期は空気の乾燥が進み、のどのイガイガ感や痛み、咳といった不調が起こりやすくなります。こうした不快な症状を予防するカギは、身体の中からしっかり乾燥対策をすること。のど飴などのケアはもちろん、体質を整えることで根本から対処をして、乾燥に負けない健やかなのどを保ちましょう。

のど粘膜の乾燥が炎症や咳の原因に

秋に起こるのどのトラブルは、空気の乾燥が主な原因。のどは、呼吸とともに入ってくるほこりや細菌、ウイルスなどの異物を粘膜でキャッチし、線毛運動によって排出しています。ところが、空気が乾燥するとのどの粘膜も乾きがちになり、異物をうまくキャッチできない状態に。すると、ほこりなどの異物にさらされてのどに炎症が起こりやすくなり、また、異物を排出しようと咳も出やすくなってしまうのです。

「肺」のダメージがのどの乾燥を招く

中医学では、のどの不調は「肺」と深く関わっていると考えます。肺はみずみずしく潤っていて、のどや鼻の粘膜、皮膚などに「津液(潤い)」を届ける働きをしています。一方、呼吸を通して外界とつながっているため、乾燥の季節はダメージを受けやすいことも特徴。空気が乾燥していると肺の潤いも不足しがちになり、身体に津液を届ける働きも弱くなってしまいます。その結果、のどの粘膜が乾燥して炎症や咳の症状が現れ、乾燥肌、唇のひび割れ、髪のパサつきといった乾燥トラブルも起こりやすくなるのです。
肺は「衛気(身体の防衛力)」を全身に巡らせ、ウイルスなどの侵入を防ぐバリア機能も担っています。そのため、肺の乾燥ダメージを放っておくと免疫力が落ち、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなってしまう心配も。秋冬を元気に乗り切るためにも、不調に気づいたら早めの対処での肺の潤いを守ることが大切です。

肺の潤いアップで「のどトラブル」を予防

「肺」を乾燥から守るためには、潤いの多い食材を積極的に取ることが大切。適度な水分補給はもちろん、日々の食事にも気を配り、体内の津液をしっかり養うよう心がけましょう。
 
<肺の潤いアップ食材>
野菜:れんこん、ゆり根、トマト、きゅうり、オクラ、白きくらげ、山芋、アスパラガス など ※咳を止めるには、大根、かぶ など
果物:梨、ぶどう、柿、枇杷、みかん、グレープフルーツ、オレンジ、金柑、かりん、すいか、メロン など
肉・魚:牡蠣、太刀魚、いか、鶏肉、豚肉 など
その他:豆乳、豆腐、牛乳、チーズ、はちみつ、銀杏、松の実、白ごま、杏仁、枸杞子 など
 
<おすすめ生薬>
・杏仁(あんずの種子):
肺や腸を潤し、咳・痰を抑える、便通を促すといった作用があります。杏仁豆腐がポピュラーですが、そのまま炒ってナッツのように食べるのもおすすめ(1日に3〜5個程度)。※下痢をしやすい人には不向きなので気をつけて。
 
・薄荷(ミント):
熱を冷まし、炎症や痛みを鎮める作用があります。のどが痛いときは、水分補給にミントティーやミントウォーターを選ぶのもおすすめ。
 
<症状別おすすめメニュー>
 乾いた咳が出るときは
・れんこんのすりおろし
 ◎みそ汁に入れるとトロトロでおいしい! お湯にいれて飲むだけでもOK。
・大根とごぼうのきんぴら
 ◎ゆり根、銀杏を入れるのもおすすめ。唐辛子は抜いて。
・杏仁豆腐
 
のどが痛いときは
・とき卵のトマト、キャベツスープ
・ミント入りのぶどうゼリー
・白きくらげと枸杞子のトロトロ煮 
 ◎適量の水に食材を入れて煮込むだけ。食べるときにはちみつで甘みをプラスするのもおすすめ。
 
<食養生ワンポイント>
中医学には「酸甘化陰(さんかんかいん)」という言葉があります。これは、酸味と甘味を合わせて取ると、身体の潤い(陰液)を増やす効果があるということ。甘くて酸っぱいフルーツは酸甘化陰にぴったりなので、乾燥トラブルが気になるときは積極的に取りましょう。
 

あんずの種子

生活習慣のポイント

・辛いもの(唐辛子など)、過度な飲酒、喫煙は避けて。のどの炎症を悪化させる要因となります。
・日々の食事は潤いアップの基本。新鮮な旬の果物や野菜を積極的に取りましょう。
・早寝早起きを習慣にして、十分な睡眠を。日々の疲れを溜め込まないことが大切です。
・空気が乾燥する季節は身体の潤いも消耗します。のどが乾きにくいのでつい忘れがちですが、適度な水分補給を心がけましょう。
 
<ツボ押しケア>
・咳が出るとき:尺沢(しゃくたく):軽く肘を曲げた内側にできる横じわの真ん中にある太い筋の親指側のみぞ
・のどが痛いとき:合谷(ごうこく):手の甲、人差し指の骨のキワ

PROFILE

中医学講師楊 敏 先生

楊 敏(よう びん)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。同大学中医診断学研究室常勤講師・同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳を経て、現在、上海中医薬大学附属日本校教授。日本中医薬研究会や漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
主な著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著)『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』、『(実用)舌診マップシート』(東洋学術出版社)など。

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