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症状がひどい急性期の花粉症は寒・熱タイプに分けて対策!

STUDY中医学の基礎

症状がひどい急性期の花粉症は寒・熱タイプに分けて対策!

2020.03.17 UPDATE

花粉症の症状として、特に多いのが鼻と目のトラブルです。今回は鼻と目の症状をそれぞれ中医学的に解説し、症状がひどい急性期の対処法をご紹介します。

花粉症による鼻のトラブル「アレルギー性鼻炎」の症状解説

(1)くしゃみ
くしゃみはもともと細菌、ウイルス、花粉などの異物(邪気)を追い払う自己防御反応です。邪気が鼻に入ると、正気が邪気を追い払うためにくしゃみが起きます。正気が不足している「気虚(ききょ)」タイプの人は、くしゃみだけでは邪気を追い払えず、鼻水が大量に出るなど花粉症のひどい症状に進行しまうことがあります。

(2)鼻がむず痒い
邪気の一つである「風邪(ふうじゃ)」による症状です。風邪は「風性作痒(ふうせいさくよう)」といい、痒みを引き起こします。

(3)鼻水が多い
肺には、気や津液を全身に散布する働き「宣発(せんぱつ)」と、散布されずに肺に残っている津液を腎へと降ろし、尿として排出する「粛降(しゅくこう)」という働きがあります。邪気によってこれらの肺の機能が弱まることを「肺失宣降(はいしつせんこう)」といい、水分代謝が悪くなると、鼻に鼻水が溜まってしまう原因になります。
慢性の場合、「肺」「脾」「腎」の気が不足している状況が続き、水分代謝が悪くなっていると考えられます。気は津液を固摂(こせつ)し、漏れ出るのを防ぐ作用があるため、これらの臓腑の気を補うことが大切です。

(4)鼻づまり(鼻閉)
肺の宣発作用によって、鼻の通りも良くなりますが、邪気によって肺の機能が弱まることにより、水分が溜まり鼻づまりの原因となります。

花粉症による目のトラブル「アレルギー性結膜炎」の症状解説

主に「風邪(ふうじゃ)」と「熱邪」(余分な熱)による五臓の不調、またはもともと臓腑に熱をもっている場合、目の症状に繋がると中医学では考えます(目の五輪学説)。臓腑によって症状があらわれる目の部位が異なります。

(1)目が紅く痒い結膜(白目)の症状
肺の不調と考えます。ハブ茶、どくだみ、菊花などがおすすめです。

(2)目頭・目尻が痒い
「心(しん)」の不調と考えます。緑茶、苦瓜などがおすすめです。
 

(3)まぶたが赤い、痛痒い
「脾胃(ひい)」(胃腸)の不調と考えます。ハブ茶、オオバコ茶などがおすすめです。

(4)角膜炎
「肝(かん)」(肝臓)の不調と考えます。ハブ茶、菊花などがおすすめです。

その他、腎は瞳(網膜)とつながり、黄斑変性などの症状と関係があるとされています。
目の酷使でストレスが溜まり、「肝鬱化火(かんうつかか)」によって目の痒みを引き起こすこともあります。

中医学で考える急性期の花粉症への対処法

症状がひどい急性期に対応するとき、タイプを見分けて対処します。どちらのタイプがより強いかによって対処法も異なります。

(1)「風寒(ふうかん)」タイプ
【気になる症状】
顔色が青白い、鼻と目がむず痒い、くしゃみが多い、白くて水っぽい鼻水が止まらない、涙が出る、鼻づまり、冷え症、白い痰が出る、軟便下痢しやすい、舌の色が淡く苔が薄くて白い

【おすすめの食材】
辛味野菜:しょうが、ねぎ、玉ねぎ
みょうが、しそ、シナモン、こしょう、八角 など
しょうがシナモン紅茶をおすすめします。

(2)「風熱(ふうねつ)」タイプ
【気になる症状】
顔色が赤い、鼻・のど・目・耳がひどく痒い、くしゃみが多い、やや粘りがあるまたは黄色みを帯びている鼻水、鼻づまり、結膜の充血が酷い、涙がやや粘り気がある、目やにが多い、口が渇く、冷たいものが飲みたくなる、便が乾燥しているまたは便秘、尿が黄色い、舌が紅く苔が薄く黄色い

【おすすめ食材】
葛湯、板藍根、菊花、きゅうり、トマト、ごぼう、大根、冬瓜、豆腐、昆布、海藻、オオバコ茶(車前子)、ハブ茶(エビスグサ)、どくだみ
ごぼう茶は利咽作用があり、のどの不快感を和らげます。

花粉症シーズンにはマッサージ習慣を

花粉症シーズンのよりよい生活習慣として、マスクなどの着用で花粉の侵入を防ぐことはもちろんのこと、適度な運動、規則正しい食生活で免疫力を上げることも基本となります。
過労を避け、十分な睡眠と休息を取ることも大切ですが、症状によっては寝苦しく十分な睡眠がとれない場合もあります。

花粉症シーズンには、鼻づまりを緩和する鼻のマッサージを習慣にとりいれてみてください。
迎香(げいこう):小鼻の脇。
上迎香(じょうげいこう):迎香(げいこう)から鼻にそって指一本分上。
2つのツボを朝晩、10回ずつさすり、鼻をかんで鼻水を出します。鼻の中のひだに溜まっているほこりや花粉を取り除き、循環を促して免疫力を高めます。

病院や漢方薬局・薬店などの専門家に相談することはもちろん、生活習慣の一工夫も症状緩和につながります。花粉症シーズンの無理は禁物。ゆったりと余裕をもった生活を心がけましょう。

PROFILE

中医学講師楊 敏 先生

楊 敏(よう びん)
上海中医薬大学医学部および同大学院修士課程卒業。同大学中医診断学研究室常勤講師・同大学附属病院医師。
1988年来日。東京都都立豊島病院東洋医学外来の中医学通訳を経て、現在、上海中医薬大学附属日本校教授。日本中医薬研究会や漢方クリニックなどの中医学講師および中医学アドバイザーを務める。
主な著書に『東洋医学で食養生』(世界文化社・共著)『CD-ROMでマスターする舌診の基礎』、『(実用)舌診マップシート』(東洋学術出版社)など。

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