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3タイプでチェック!美しい歯を保つ口腔ケア

2019.04.02 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスン vol.36

春は仕事やプライベートで新しい出会いも多く、活動的になる季節。第一印象を良くするためには「身だしなみ」が基本ですね。
「歯のケア」も大切なエチケットの一つ。虫歯や口臭など口腔のトラブルは、自分では気にならなくても、人からの印象に影響を与えてしまうかもしれません。
中医学では口腔のトラブルも、体の内側の不調が影響していると考えます。内側から対処することで根本から改善していきましょう。

歯の健康は内臓の健康から

口腔ケアというと、歯磨きや歯間ブラシでのケアをイメージされる方が多いと思いますが、中医学では、外からのケアに加え、内臓の不調にも着目して症状に対処していきます。
美しく丈夫な歯を保つ上で特にアプローチするべきポイントは「歯槽骨(しそうこつ)」(顎骨の骨と歯を結ぶ骨)、「骨」、「歯肉」の3点です。これらのポイントは、「脾胃(ひい)」(胃腸)と「腎」のケアが重要になります。
中医学の五行学説という考えにおいて、口は「脾胃(ひい)」(胃腸)と関連が深く、脾胃の不調が口の症状となって現れやすいとされています。また、「歯は骨の余り」ともいわれ、骨と関連が深い「腎」は丈夫な歯を保つ上で最も重要な臓腑といえます。

気になる口腔トラブル体質チェックと食養生

口腔のトラブルにつながる代表的な3つのタイプをご紹介します。気になる症状に当てはまる数が多い方は、養生を心がけましょう。
(1)気血不足タイプ
脾胃の働きが弱っているために、だんだん消化吸収力が低下し、うまく栄養を取り入れることができず気血が不足してしまうタイプ。気血が不足していると栄養が歯肉に行き渡らず、歯肉の衰えにつながります。
冷たいもの、生もの、脂っこいものを避け、暴飲暴食はしないよう気をつけましょう。
【気になる症状】
□歯肉が萎縮する
□歯肉が細くなったせいで歯がぐらぐらする
□疲れやすい
□顔色が悪い
【おすすめ食材】
気血を補う食材は山芋、長芋、なつめ、クコの実など。また、しょうが、みょうが、八角など香りのある食材は脾胃のケアにおすすめです。
(2)腎精不足タイプ
腎精は腎に蓄えられた生命エネルギーの源のこと。その腎精が不足して腎の働きが弱まり、腎と関係が深い骨のトラブルを引き起こしやすいタイプ。歯が弱くなり、抜けやすくなるなどのトラブルがみられます。
気血不足と同様に控えるべき生活習慣に注意して、バランスの良い食事を摂りながら腎精を養いましょう。
【気になる症状】
□歯がぐらぐらする
□歯が抜けやすい
□噛む力が弱い
□腰が痛む
【おすすめ食材】
黒豆・黒ごま・黒きくらげ・黒米などの黒い食材、肉類などのタンパク質、豆類がおすすめ。他にもプラセンタやすっぽんは腎を養う作用が強いとされています。
(3)胃火上炎(いかじょうえん)タイプ
脾胃に熱が溜まってしまい、その熱が上って歯痛などのトラブルが発生するタイプ。食生活の乱れが続くと熱がこもりやすくなるので、辛いもの、刺激が強いもの、脂っこいもの、カロリーの高いものの食べ過ぎに注意しましょう。唐辛子、ねぎ、しょうがは胃熱を増すので控えめに。
【胃火上炎で見られる症状】
□虫歯による歯痛
□口臭がある
□口が渇く
□吹き出物がある
【おすすめ食材】
トマト、れんこん、セロリ、きゅうりなど熱を冷ます食材がおすすめ。バランスよく摂り入れましょう。

どのタイプにも!口の清潔を保つ秘訣と唾液の秘密

虫歯や歯周病の菌から体を守るには口を清潔に保つことが必要不可欠。ですが、口内では、歯磨きと歯磨きの間の時間にも菌がどんどん増殖しています
そこで活躍するのが、唾液です。唾液には殺菌作用、消化作用、浄化作用などの働きがあり、自然と口内環境を整えてくれます
口が渇いた状態だと唾液による作用が働かず、口内環境にも影響を与えてしまいます。美しい歯を保つ口腔ケアの一つとして、唾液の分泌を促すマッサージを取り入れてみましょう。
【どこでもできる!唾液の分泌を促す3ポイントマッサージ】
1.顎(舌下腺)を親指と人さし指ではさんで揉む。
2.フェイスライン(顎下腺)を2本の指で軽く押すようになぞる。
3.耳の顔側のへこんだ部分(耳下腺)を人差し指と中指で押す。
この3ポイントを1日2~3回行います。

食後すぐの歯磨きはNG?注意したい外からの口腔ケア

いつも行っている歯磨きにも注意するべきポイントがあります。
食事をしたらすぐ歯を磨いたほうが良いと思っていませんか?実は、食後すぐの歯磨きにも注意が必要です。食事をしたことにより柔らかくなっている歯を傷つけてしまうかもしれません
歯磨きは食後の30分後がおすすめです。食後すぐにケアしたい場合は、濃いめの緑茶でうがいをするといいでしょう。
また、中医学には数千年前から伝えられている「叩歯(こうし)」というケアも。歯と歯をカチカチと鳴らして噛む動作を1日3回、10~20回行う簡単な方法で、歯肉と歯を鍛えることができます。
中国ではこういった症状が起こる前に対処する養生法が今でも広く実践されています。スキマ時間にトライしてみましょう。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など