監修:楊 紅娜(中医学講師)
楊紅娜先生のBeauty&Relax Vol.3
体や肌を手軽に整える「ツボ」ケア。その活用法を知る第2回は、近年注目を集めている「美容鍼」についてご紹介します。なにかと気になる肌悩みの改善が期待できるので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
美肌のための鍼灸治療
鍼灸は針やお灸でツボを刺激し、体本来の治癒力を高めて不調を改善していく治療法です。その中でも、美容効果に特化して施術されるのが「美容鍼」。主に顔のツボを刺激する療法(※)で、しみ、しわ、たるみなどの改善が期待できます。
美容鍼は、近年モデルや海外セレブが取り入れたことで一躍話題になりました。広く認知されたのは最近のことですが、鍼灸には2000年以上もの歴史があり、その効果もしっかり検証されています。副作用の心配もほぼなく、肌本来の力を引き出して健やかに整えていく治療法なので、安心して受けられることもメリットと言えます。
※肌は内臓の鏡。美容鍼は顔の施術が中心ですが、肌を根本から整えるためには体全体をケアすることも大切です。
美容鍼はどうして効くの?
美容鍼は針を刺すことで肌の状態を整えるものですが、その効果は主に次の3つです。
①血流改善
針で肌に傷をつけると、傷ついた組織を修復しようと血流量が増加します。すると、毛細血管の血流が良くなり、くすみが和らいで健康的な顔色に。また、ターンオーバーが促されるため肌のキメが整い、しみの改善にもつながります。
②マイクロトラウマによる肌細胞の活性化
マイクロトラウマは文字通り“小さな傷”のこと。肌に針を刺して微小な傷をつけると、組織を再生するために細胞が活性化します。すると、肌の弾力を保つ「コラーゲン 」「エラスチン」などの生成が促され、ハリのある肌が保たれます。
③筋肉へのアプローチ
針の刺激で表情筋にアプローチします。凝った筋肉をほぐし、緩んだ筋肉には刺激を与えることで、顔の筋力を改善。加齢によって現れやすい目元・口元のしわ、たるみなどの改善につながります。
このように、美容鍼は肌が本来持つ修復力や筋力に直接アプローチするため、個人差はあるものの、効果を感じやすく安心な美容法と言えるのです。
ちなみに針治療は怖いというイメージを持たれがちですが、鍼灸に使う針は0.10mm程度の極細針。痛みもほぼないので、興味のある方は安心してチャレンジしてみてください。
美容効果のある顔のツボ
指押しマッサージでOKなので、ぜひ日頃のケアの参考に。
神庭(しんてい):額の中心で生え際から1cm程上
攅竹(さんちく):眉頭の内側のくぼみ
魚腰(ぎょよう):眉毛の真ん中あたり
糸竹空(しちくくう):眉毛の一番外側
太陽(たいよう):こめかみの目尻寄りのくぼみ
四白(しはく):瞳孔の真下
迎香(げいこう):小鼻の脇
地倉(ちそう):唇の口角の外側にあるくぼみ
ツボの位置
この記事を監修された先生
中医学講師楊 紅娜
楊紅娜(よう こうな)中医学講師。 登録販売者。鍼灸師。 2006年遼寧中医薬大学修士号取得。 2006年~2016年、大連市にて精神科臨床医として10年間勤務。 「中国摂食障害の防治指南」の編集委員担当。 2016年来日。日本にて登録販売者、鍼灸師取得。