監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★☆☆】りんごは肺や体を潤し、胃腸の働きを整えます。
りんご(国産) 平性/甘味 肺を潤し働きを助ける、下痢・便秘・消化不良を助ける など
日本のりんごは、東北地方を中心に全国で2000種類もの品種が栽培されているそうです。一般的に秋が旬とされていますが、日本では栽培地域が広いため、夏の終わりから春先まで長いシーズンで楽しめて手に入りやすい果物です。
中医学的には、肺を潤し働きを助けるとされ、秋の乾燥シーズンの空咳や喉の乾燥に良いとされています。また、胃腸の働きを整えてくれるので、消化不良、下痢、便秘が気になるときにも使える食材です。小さい子供でも食べやすく、すりおろして加熱すれば離乳食としても利用できます。
りんごのコンポートと桂花のゼリー
RECIPE
秋の台風シーズンが終わると、晴れて爽やかな日が続き徐々に気温が下がって空気は乾燥しやすくなってきます。肺は乾燥の影響を受けやすく、喉が渇いて咳が出やすくなり、鼻や髪も乾燥してパサパサしやすくなります。また、肺と大腸は関係の深い臓器のため、大腸も影響を受けて、秋には乾燥性の便秘を起こしやすくなります。
りんごは肺を潤し、胃腸の働きも整えてくれるので、秋の乾燥のシーズンにはおすすめの食材です。今回は潤肺、潤腸の働きを持つはちみつと、香りの良い桂花(金木犀)を一緒に使って見た目も可愛いゼリーにしてみました。
また、栄養学的にりんごの皮の下に多く含まれるポリフェノールは、かぜの予防にも役立つとされています。調理の際は皮も一緒に使うようにしましょう。
調理時間150分
材料
板ゼラチン………10g
COOKING
- 1りんごは洗って4等分にカットし皮を剥く。皮はコンポート用にとっておく。
- 2板ゼラチンはたっぷりの冷水もしくは氷水(分量外)に浸けて、ふやかしておく。
- 3鍋にはちみつ、白ワイン、水、①を入れ中火で加熱し、 沸騰したら15分弱火で煮て冷ます。
- 4300mlの③の液とりんごジュース、②を鍋に入れ、ゼラチンが溶けるまで温める。最後に桂花を加えよく混ぜる。
- 5④の荒熱が取れたら器に等分に分け、2時間程度、冷蔵庫で冷やし固める。
- 6③でコンポートにしたりんごを薄切りにし、クルクルと巻いてバラの形を作ったら固まったゼリーの上に乗せて飾る。
料理のポイント
- point! 板ゼラチンはたっぷりの冷水(氷水)に浸して戻しましょう。 水の温度が高いと、ゼラチンが溶けて扱いづらくなります。
- point! りんごのコンポートは皮と一緒に煮ることで、りんごの実が綺麗なピンク色に煮あがります。
- point! 桂花の香りはぐつぐつ煮てしまうと薄れてしまうので、桂花は最後に入れて予熱で香を出すと良いでしょう。
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この記事を監修された先生
中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べれる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。