薬剤師・国際中医専門員の柳沢侑子です。
先月のことですが、5月21日(土)に朝日新聞社・日本中医薬研究会・イスクラ産業が共催した、週刊朝日ムック「正しく付き合う漢方2016」出版記念講演会『今から始める女性のための漢方レッスン』に参加してきました。
今回のセミナーは、抽選で300名様ご招待のところ、なんと500名以上の参加のご応募があったそうです。もともと製薬会社勤務時代に、漢方を服用して体調が良くなったのがきっかけで、中医学の世界に飛び込み、今や中医学がライフワークとなった私。沢山の方が中医学にご興味をもってくださり本当に嬉しく思います。
今回のコラムは、当日私が体験した、「今からはじめる女性のための漢方レッスン」のレポートをお送りします。
・栗原クリニック 栗原毅先生による「血管力をつけて健康美人になる」
・イスクラ産業取締役 陳志清先生による「美と健康に役立つ中医学3つのポイント」
・スペシャル対談 伊藤まさこさん×AERA元編集長浜田敬子さん「最近気になるからだのこと」
栗原先生のご講演。食と生活の見直しで地域の医療費が軽減し平均寿命も伸びたそうです。
ゆるい糖質OFFが血管力をあげる!
最近話題の「糖質OFF」ですが、栗原毅先生のお話によると、脳梗塞や認知症を予防するためにも糖質を少し抜く生活は血管力をつけるためにも非常に重要。日本人女性は糖質の適切な量から比較すると、なんと2倍近くの糖質を摂取しているというデータがあるそうです。
「肥満もカロリーでなく糖質が関係している」と20年以上前から糖質に注目されており論文も書かれていた先生が提唱していらっしゃるのは、完全な糖質制限でなく、食べ過ぎている分を減らして適切な量にする、ゆるい糖質制限です。
・主食はちょっと控えめに、糖質の高いイモ類を少なくする食事。
・糖質の高いフルーツを食べるなら朝がおすすめ。
・急いで食事をしなくてはならない時は、食事前にチョコレートを1つ食べ、急激な血糖値の上昇を防ぐ。
・「30回噛む」でなく、31回噛むつもりでしっかり噛んで食べる。
など、具体的に今から実践できる簡単な方法を教えていただきました。
陳先生のご講演。体の不調に備えて「健康貯金」をすることが大切だと教えていただきました。
薬食同源の中医学で健康美人
たちくらみ、めまい、便秘、むくみ、生理前にイライラしやすいなど、病院の検査では異常がなくても体調が良くない…このような場合、中医学的にみる健康の目安「気・血・水」のバランスが崩れていることが良くあります。
特に女性は妊娠・出産・授乳と、「血(けつ)」を消耗することが多く血に関して不調を起こしやすいので、血を補う作用のあるナツメ、人参、トマト、ほうれん草などを積極的に食べることが大切です。
さらに、昔の中国の医学書には、女性の体は7の倍数で変化すると書かれています。35歳ぐらいから徐々に変化が現れ42歳、49歳とホルモンバランスが崩れやすい時期ですので、その前に食生活や食事を改善して対策をすることが、体も心も元気でいられるポイントです。
陳志清先生からは、「最近の若い人は、夜更かしをしたり、睡眠時間が遅かったりと『健康借金』をしている。借金でなくいかに日常生活の中で『健康貯金』をするかが重要だ」と教えて頂きました。
開始直後から嬉しいことに相談ブースは行列ができ終始大にぎわいでした。
漢方相談体験付き!
「漢方薬局って興味はあるけど、入りにくい」というお声にお応えして、今回は会場に漢方相談体験ブースを設置! 私を含め、イスクラ産業中医学講師や日本中医薬研究会の薬局薬店などから合わせて10名程度がそれぞれカウンセリングを担当しました。講演開始前の1時間と、休憩時間の15分が相談タイムでした。
パネル展示にも沢山の方々が来てくださいました。
AERAで掲載が決定!
中医学には漢方薬を服用するだけでなく、お金をかけずにできる食事・生活スタイル日々の過ごし方など健康な暮らしのヒントが沢山あります。どうしたら必要な方に届けられるか日々奮闘中ですが地道に情報を更新していきますので、よろしくお願い致します。
今回の「今から始める女性のための漢方レッスン」の様子は、7月16日(土)発売のAERAに掲載予定だそうです。私も本誌が手元に届くのが楽しみです。よろしければこちらも是非ご覧ください。
(テキスト:編集スタッフ 柳沢侑子)