監修:松本 誉子 先生(中医薬膳師)
【難易度★☆☆】
花椒は湿を追い出し体をスッキリさせます

花椒 熱性/辛味 湿を取り除く、お腹を温める、冷えを散らす、気の巡りを整える など
山椒は、日本では古くから薬味として重宝されてきました。山椒には大きく分けて、日本で一般的に使われる「和山椒」と、中国料理に使われる「花椒」があります。和山椒は、やわらかく清涼感のある香りと、ほのかな辛みが特徴です。一方、花椒は、力強い香りと舌に残る強いしびれがあり、より刺激的な風味が特徴です。中医学の観点では、どちらも「温中(おんちゅう)」「降気(こうき)」といった働きがあるとされ、胃腸の調子を整えるためによく使われます。特に梅雨のように湿気が多く、体内の水分の巡りが滞りやすく、食欲が低下しやすい時期には、しっかりとした香りとしびれるような刺激がある花椒の方が、よりおすすめです。
花椒香る食べるラー油
レシピ

こんにちは。中医薬膳師の松本誉子です。
梅雨の時期は湿度が高く、体の中にも「湿(しつ)」が溜まりやすくなる季節です。中医学では、この「湿」は“重くて粘る”性質を持つとされ、体がだるい・やる気が出ない・食欲がない・軟便や下痢が続く・足がむくむなどの不調が起こりやすいとされています。
今回ご紹介する花椒をたっぷり使用した「花椒香る食べるラー油」は、花椒を唐辛子やしょうがと組み合わせることで、体内の巡りを促し、体に溜まった余分な湿を追い出して、体や気分をスッキリ整えてくれるレシピです。さらに、醤油麹が味に深みとコクを加え、陳皮の香りで気を巡らせながら、ストレスによる胃の不快感もサポートしてくれます。また、本レシピは、一般的なラー油の作り方と違い、油を加熱せず、すべての材料を混ぜるだけで完成するのも嬉しいポイントです。中華料理の調味料としてはもちろん、冷ややっこや、おひたし、ご飯やうどんに乗せたり、パスタやチャーハンやカレーなど、いろいろな料理にアレンジしてお使いいただけます。
調理時間5分
材料
【つくりやすい分量】
唐辛子粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1袋(14g)
白ごま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
花椒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3
醤油麹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2
しょうが(すりおろし)・・・・・小さじ2
にんにく(すりおろし)・・・・・小さじ2
陳皮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
ごま油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ4
作り方
- 1材料を計量する。
- 2ごま油以外の材料を良く混ぜる。
- 3②にごま油を加えて良く混ぜる。
- 4日の当たらない場所で保存する。暑い時期は冷蔵保存がおすすめ。
料理のポイント
- point! 簡単にできるので一度にたくさん作らずに、その都度作って早めに食べるのがおすすめです。
- point! のぼせの症状がある時や妊娠中は、花椒や唐辛子の摂取を控えるようにしましょう。
- point! 陳皮が手に入らないときは、乾燥させた柚子の皮を使ってもおいしく仕上がります。
この記事を監修された先生

中医薬膳師松本 誉子 先生
松本 誉子(まつもと たかこ)
中医薬膳師。中医薬膳茶師。みそソムリエ。日本中医食養学会局員。
くらし薬膳 美容薬膳の執筆/監修/指導。
日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校薬膳科)を卒業後、薬膳理論を取り入れたカフェを世田谷区三軒茶屋にオープン。現在は薬膳料理教室『ドードーの空キッチン』の主宰兼講師として、楽しく食べられる「おうちごはん」をモットーにカラダと心の健康を保つ方法を伝えている。