監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)
【難易度★★☆】
桑葉は、体内の余分な熱を冷まし、イライラを鎮めます

桑葉 寒性/甘味・苦味 のぼせ、イライラ、頭痛、目の充血やかすみ、喉や呼吸の乾燥感などの不調サポート、目の健康維持など
桑葉(そうよう)は、中医学において、肺や肝の経絡に属するとされ、古くから健康維持に役立てられてきました。肺に作用することで、こもった熱や風邪(ふうじゃ)を発散し、乾燥をやわらげる働きが期待されており、頭痛や咳、花粉が気になる季節に取り入れられることが多いです。また、肝に作用することで、自律神経を整え、のぼせやイライラを緩和し、目の健康をサポートするとされています。特に、ストレスが多い現代社会では、めまいや目の充血、光がまぶしく感じる症状(羞明)などへの対策としても注目されています。さらに、桑の実や枸杞の実、ごまと一緒に摂ることで、目の養生にもおすすめです。使用量の目安としては、乾燥葉で一日5~9g、粉末の場合はその約1/3程度が適量とされています。日々の健康維持に、ぜひ桑葉を取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考:『中国薬典』
桑葉と鯛の道明寺蒸し
RECIPE

こんにちは。一般社団法人薬膳アカデミア理事長の和田暁です。
立夏を迎え、陽気が高まるこの季節は、ストレスの影響でイライラや頭痛、目の充血、羞明などの不調が起こりやすくなります。また、肝の疲れやストレスによる消化力の低下、湿気による胃腸の不調も気になる時期です。そんな時期におすすめの薬膳が「桑葉と鯛の道明寺蒸し」です。鯛は消化機能を整え、体内の余分な湿気を取り除くとされる食材で、ストレスで疲れた肝の働きをサポートし、脳や血管の健康維持にも役立つといわれています。桜花は、肝の熱を冷まし気を整え、血の巡りを良くして痛みを和らげるとされ、桑葉の働きをサポートします。ソースに使用する桑の実は視力のサポートや肝の滋養に役立ちます。鯛をを道明寺粉と大葉と一緒に蒸し上げることで、彩り豊かで初夏にぴったりの一品が完成します。心と身体を整える、季節の恵みをぜひ食卓に取り入れてみてください。
調理時間60分
材料
【2人分】
大葉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4枚
桜の花の塩漬け・・・・・・・・・・・・・2個
鯛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2切れ
料理酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
塩麹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
材料A:
道明寺粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20g
桑葉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40g
材料B:
桜色の道明寺粉・・・・・・・・・・・・・20g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40g
ソース:
桑の実(乾燥)・・・・・・・・・・・・・大さじ1
チキンスープ・・・・・・・・・・・・・・・100ml
レモン汁・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
塩麹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
COOKING
- 1材料Aと材料Bをそれぞれ混ぜ合わせ、道明寺粉を30分ほど浸水させる。
- 2鯛は料理酒と塩麹で下味を付ける。
- 3皿に鯛を2切れ乗せ、片方には緑色の道明寺粉(①の材料A)、もう片方にはピンク色の道明寺粉(①の材料B)を乗せ、それぞれ大葉で覆う。
- 4③を蒸し器で蒸す。
- 5ソースを作る。桑の実はひたひたの水でさっと茹で、チキンスープとレモン汁を加え、温める。塩麹少々を加え、味をととのえる。
- 6⑤のソースを④にかけて仕上げる。
料理のポイント
- point! 工程⑤で、レモン汁を入れると、ソースの桑の実の色がきれいに仕上がります。
- point! 道明寺粉とは、もち米を一度水に浸して蒸し、その後乾燥させて粗く砕いたものです。
- point! 工程①で道明寺粉を浸水する際、水分量や浸水時間は商品によって異なる場合があるので、パッケージの指示を確認し、調整してください。
この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生
和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。