監修:劉 伶 先生(中医学講師)
【難易度★★☆】
長芋は、胃腸の働きを高め、気を補い、体力を養います。
長芋 平性/甘味 消化促進、疲労回復、滋養強壮など
長芋は、五臓の「脾・肺・腎」3つの臓器の気(エネルギー)・陰(潤い)を養う、食の養生に適した食材です。胃腸の働きを高め、気を補う作用にすぐれています。元気の不足した気虚タイプの方は常に意識して摂りたい食材の一つです。
このほか、体に必要な潤いである津液(しんえき)を生み、肺を潤し、慢性の咳や喘息などの症状を改善します。また、加齢とともに不足しがちな腎を補い、尿漏れなどを改善する働きもあります。
ただし、生食は、過食で胃もたれしている時や、お腹が張っている時、体質が痰湿タイプの方は控え目にしてください。
長芋と肉団子のスープ煮
RECIPE
元気不足の気虚タイプは、気血を生み出す胃腸の働きが弱いので、まずは、胃腸の働きを高めることが大切です。胃腸は冷たい環境や水分過多の環境に弱いので、生ものや多量の冷たいものの飲食はできるだけ控え目にしましょう。
今回ご紹介するのは、中国の家庭で良く食べられている長芋料理で、気を補う作用のある長芋、にんじん、豚ひき肉、鶏ひき肉、卵、胃腸を温める長ねぎやしょうがを使いスープで煮込みました。このメニューは、気を補う基本食材となる白米のご飯にもよく合います。
調理時間50分
材料
【4人分】
豚ひき肉……………………………150g
鶏ひき肉……………………………150g
A 卵…………………………………2個
長ねぎ(みじん切り)…………5cm
しょうが(みじん切り)………1/2かけ
酒…………………………………大さじ2
しょうゆ…………………………大さじ2
鶏ガラスープの素………………小さじ2
塩…………………………………少々
サラダ油……………………………大さじ1
長芋…………………………………400g
にんじん……………………………1本
水……………………………………4カップ
B 酒…………………………………大さじ2
しょうゆ…………………………大さじ4
鶏ガラスープの素………………大さじ1
砂糖………………………………大さじ1と1/2
塩…………………………………少々
長ねぎ(青い部分)………………5cm
お麩(小ぶりの丸いもの)………適量
COOKING
- 1ボウルに豚ひき肉と鶏ひき肉を入れ、水(分量外)を少量加え、とろみが出るまで同じ方向に混ぜる。
- 2ボウルにAを加え、粘りが出てとろとろの状態になるまで同じ方向によく混ぜる。12等分して団子状にする。
- 3フライパンに油をひき熱し、②を入れ中火で両面に焼き色をつける。
- 4鍋に水を入れて沸かし、Bの調味料を加え、皮をむき乱切りにした長芋と③を入れてアクを取りながら弱火で20分煮る。
- 5皮をむき乱切りにしたにんじんを加え、フタをして弱火で15分煮込む。
- 6あらかじめ水で戻しておいたお麩とななめ切りにした長ねぎを鍋に加え2~3分煮込んでできあがり。
料理のポイント
- point! 長芋のほか、山芋でも作れます。
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この記事を監修された先生
中医学講師劉 伶 先生
劉 伶(りゅう れい)
医学博士。遼寧中医薬大学客員教授。不妊カウンセラー。
中国・遼寧中医薬大学医学部卒業。同大学講師として勤務。修士学位を取得後、岡山大学医学部第一内科に留学し、医学博士号を取得。 現在は日本中医薬研究会専任講師として、中医学の普及と指導に従事。
共著に「やさしい中医学シリーズ1 ライフスタイルブック」「やさしい中医学シリーズ5 心と体にやさしい不妊治療」(ともに文芸社)など。