猛暑による食欲不振を解消「とうもろこしと冬瓜のおでん風」 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

猛暑による食欲不振を解消
「とうもろこしと冬瓜のおでん風」

2023.07.11 UPDATE

監修:和田 暁 先生(一般社団法人薬膳アカデミア理事長)

【難易度★☆☆】
とうもろこしは胃腸の調子を整え、体内に溜まった水分の排出を促します

とうもろこし 平性/甘味 胃の働きを高め、体内の余分な水分を排出する など

とうもろこしは世界三大穀物の一つで、16世紀頃に中国や日本に伝えられました。中国の古典書の『本草綱目(ほんぞうこうもく)』では、とうもろこしは「西洋の土壌で栽培され、実は香りがよく甘味で食欲増進、消化吸収機能を健やかにする。根と葉は湿と熱を排出する力が強く、排尿痛に使われる。ひげは、薬用価値がもっとも高く、淡味で尿を促し、むくみをとり、胆汁の分泌を促すことで黄疸の解消、尿石、胆石、尿道感染症などによい。」と記されており、古くから食されてきました。甘くて美味しいとうもろこしですが、血糖値が低い方、尿が多い方は控えましょう。また、雑穀の一つであるため、とうもろこしを食べたときには、主食のご飯の量を減らすなど調節することをおすすめします。

プリント

とうもろこしと冬瓜のおでん風
RECIPE

暦上は夏至が終わり、小暑の時期に突入し本格的な夏を迎えます。この時期は、高温多湿の影響で体が重だるい、胃がムカムカする、夏バテ、むくみ、尿がすっきりと出ない、尿路感染症などの症状を招きやすくなります。また、熱中症にも注意が必要です。そんな時『とうもろこしと冬瓜のおでん風』が大変おすすめです。おでんといえば、冬をイメージしますが暑い時期に摂りたい食材を使って夏に楽しめるおでんにしてみました。胃腸の調子を整え、体内に溜まった水分の排出を促すとうもろこし、熱を冷まし潤いの働きがある冬瓜をメインにはと麦、こんにゃく、湿気を力強く解消するトマトと陳皮を入れ昆布だしでさっぱりといただけるようお味を整えました。更に、はんぺんで消化に良いタンパク質が摂れ、暑熱から胃腸を守ってくれます。夏バテ、熱中症、尿道感染症の改善に最強のレシピです。体に余分な湿を作らないように揚げ物、糖分が多い物、アルコールの過剰摂取に注意しましょう。

調理時間40分

材料

【2~3人分】

とうもろこし・・・・・・・・・・・・・・・・1本
冬瓜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300g
こんにゃく・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g
はんぺん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大1枚
トマト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
はと麦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20g
昆布だし汁・・・・・・・・・・・・・・・・・・800cc
※昆布(4g)
塩麹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
陳皮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々

COOKING

  1. 1はと麦を熱湯で10分ほど煮た後、冷ましておく。
  2. 2こんにゃくのアク抜きをし、8等分にし、手綱(たづな)風にする。
  3. 3とうもろこしは芯とひげが付いたままを四等分にし、はんぺん、トマトもそれぞれ4等分に切って置く。
  4. 4冬瓜の皮を薄く剥き、綿、種を取り除き、一口大に切る。
  5. 5鍋に昆布だし汁、塩麹、①のはと麦を煮立たせ、トマト以外の②と③と④の材料と一緒に20分程煮る。
  6. 6⑤にトマト、陳皮を加え、さっと火を通す。

料理のポイント

  • point! 冬瓜は、調理前に同量の塩とミョウバンで洗い軽く拭き取ってから調理すると色がきれいに仕上がります。
  • point! はと麦は、一晩水につけ置きしたものを使っても良いです。
  • point! とうもろこしのひげが気になる場合は、お茶パックに入れてから一緒に煮込むと便利です。

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この記事を監修された先生

一般社団法人薬膳アカデミア理事長和田 暁 先生

和田 暁(わだ しゃお)
上海中医薬大学中医学部卒、同大学付属病院勤務。昭和大学研修中、日本医食同源第一提唱者の新居裕久教授と出会い、中医学を毎日の食卓へ届けることを目指し、薬膳普及の道へ進む。
2015年、世界中医薬学会連合会より世界初の高級中医薬膳伝授師称号を授与。現在、一般社団法人薬膳アカデミア理事長・世界中医薬学会連合会常務理事、日本国際中医薬膳管理師会会長、上海中医薬大学日本校教授、東京栄養士薬膳研究会顧問。
主な著書に『薬膳で治す』(時事書房・共著)『まいにち養生ごはん』(学陽書房・監修)『中医婦人科学』(上海科技出版社・共著)雑誌『助産雑誌』連載執筆など。