監修:鈴木 理恵(管理栄養士・国際薬膳師)
【難易度★★☆】体の熱を冷まし、利尿作用でむくみを改善
冬瓜 微寒性/甘味・淡味 利尿作用、熱を冷ます、のどの渇きを止める
冬瓜は、夏に収穫する野菜ですが、その名の由来は、冬まで日持ちするからとか、完熟の果皮にうっすらと白い粉がふくのを雪に見立てたなど諸説あるようです。
中医学では冬瓜の種子、茎、皮、葉も生薬として使います。
普段、料理に使う実の部分には、利尿、体にこもった熱や水分を取り除く、のどの渇きを止めるなどの働きがあり、熱中症やむくみ、尿が出にくいなどの症状や梅雨から夏の蒸し暑い時期に使うとよい食材です。痰湿タイプの方や糖尿病の方にも適しています。
ただし、性質がやや寒性で気を降ろす作用があるので、妊娠中の方および胃腸が冷える方は食べ過ぎに注意しましょう。
冬瓜のえびあん仕立て
RECIPE
梅雨の時期は、体が重い、むくみが出る、胃のもたれ、食欲不振などの症状が現れやすくなります。これは湿気の影響で脾(消化吸収機能)の働きが悪くなり、水分代謝が低下するためです。食養生としては体内の余分な水分を取り除き、脾の働きを健やかに保つことが大切です。この料理は、冬瓜で体の熱を冷ましながらむくみを取り、枝豆と生姜で脾の働きを整え、えびで寒熱のバランスをとって蒸し暑い季節を快調に過ごせるようにしました。油を使わず胃腸にやさしい一品です。
調理時間40分
材料
【材料:2人分】
冬瓜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/8個
むきえび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
枝豆※・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・約40粒
しょうがの絞り汁・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
A だし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2カップ
酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1/2
うすくちしょうゆ・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
片栗粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
COOKING
- 1冬瓜は種とワタを取り、4cmの角切りにして皮をむき、味がしみ込むように皮側に斜め格子状に切り目を入れる。熱湯で竹串がすっと通るくらいまで下ゆでする。(約7~8分)
- 2むきえびは背ワタを取って、包丁で粗くたたく。
- 3鍋にAと①の冬瓜を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし、落とし蓋をして柔らかくなるまで10~15分煮る。冬瓜を取り出し、器に盛り付ける。
- 4③の鍋にえびを加えて5分ほど煮たら、水大さじ1(分量外)で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。しょうがの絞り汁と枝豆を加えてひと混ぜし、③の冬瓜にかける。
料理のポイント
- point! 作り方①で皮、種、ワタを一緒に茹でて実だけ取り出し、茹で汁をこして材料Aのだしと置き換えると利尿作用が高まります。
この記事を監修された先生
管理栄養士・国際薬膳師鈴木 理恵
イスクラ産業で製品開発および薬膳関連の仕事に従事。日本食糧新聞社百菜元気新聞への薬膳レシピ掲載、西洋フード・コンパスグループ(株)への薬膳メニュー提供など。身近な食材で簡単に作れる体と心によいレシピを提案している。