漢方の知恵袋

不眠症不眠症を改善して心も身体も健康になる方法

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監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

こんにちは、「COCOKARA中医学」編集部の小嶋です。

 

突然ですが、眠りで困った経験はないですか?快眠できないと日常生活にも支障をきたしかねないので放っておけないですよね。

 

「不眠」は現代病のように思えるかもしれませんが、実は古くから人々を悩ませている症状で、中医学では二千年前の古典にもその対処法が記されているほど。

 

そこで、この記事では、中国の伝統医学である中医学をもとに、気持ち良く眠るためにできることを分かりやすく説明します。

 

それではご紹介しましょう。

血の不足が主な原因

「不眠症」の多くは、ストレスや不安感といった精神の不調が主な要因です。中医学では、こうした不眠の症状を五臓の「心(しん)」の不調と考えます。心は、精神を安定させる「血(けつ)」の流れをコントロールし、精神活動の中枢を担う臓器。そのため、心の血が不足すると、精神が不安定になり不眠の症状が現れるのです。また、血を蓄える「肝(かん)」、血を生む源となる「脾胃(ひい)」(胃腸)の不調も、不眠の要因となるので注意が必要です。

 

  

 

その他、更年期や加齢、暴飲暴食など不眠の原因はさまざま。不眠が続くと身体の不調にもつながるので、原因を早めに取り除き、質の良い睡眠を取れる体質づくりを心がけましょう。これから具体的に対策をお伝えします。

check!快眠体質を作る!タイプ別「不眠」の改善方法

憂鬱、不安、イライラなど、不安定な精神状態にも様々なタイプがあります。ストレス過多の「気鬱(きうつ)」タイプ、女性に多い「血虚(けっきょ)」タイプ、更年期の「イライラ」タイプ、消化不良の「ムカムカ」タイプの4タイプに分けてご説明します。

それぞれに合った対処法をきちんと知って、快眠体質を目指しましょう。

1 ストレス過多の 「気鬱(きうつ)」タイプ

気になる症状
寝付きが悪い、よく夢を見る、憂うつ、胸苦しい、ストレスが多い
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改善ポイント

【精神の安定が快眠のポイントに】

 

中医学では、感情を「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」に分けて考えます。これを「七情(しちじょう)」と言います。これらの感情が過度に続くと、臓腑の気血(きけつ)に悪い影響が現れます。

 

この中で特に不眠と関わるのは、 「憂鬱(ゆううつ)」 「怒り」 「悩み(思)」 「悲しみ」の4つ。これらの感情がストレスとなり「心(しん)」「肝(かん)」「脾(ひ)」に影響すると、精神を安定させる血が不足して不眠が起こります。

 

特に、このタイプは感情のコントロール機能を持つ五臓の「肝(かん)」に注意が必要。ストレスで血が不足すると肝の機能が低下。すると、感情のコントロール機能も低下することで、さらにストレスも悪化する、という悪循環に陥ってしまいます。

 

とにかくストレスの発散を心がけ、症状が重くなる前に早めに改善してしまいましょう。

摂り入れたい食材
香りの良いもので、ストレスを発散させましょう。
菊花茶、金木犀の花茶(桂花茶)、ジャスミンの花、しそ、セロリ、香菜、春菊など

※花類はドライハーブとして市販されています。熱湯を注いでハーブティーとして楽しみましょう。

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2 女性に多い 「血虚(けっきょ)」タイプ

気になる症状
不眠の慢性化、浅い眠り、不安感、健忘、動悸、めまい
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改善ポイント

【月経中や産後にも要注意】

 

血(けつ)は陰陽の分類では「陰」に属し、「静」の性質持ち、精神活動を支える役割りを担っています。このため、病後や月経中、産後などに血が不足すると、精神が休まらず不眠の症状につながってしまうのです。

 

このタイプの不眠症は慢性化しやすく、眠りが浅いことも特徴。不安感や動悸、めまい、健忘などの症状も見られます。不足している血を補うことを中心に対策をしてみてください。

 
摂り入れたい食材
甘みのあるもので、体内の足りない血を補いましょう。
黒砂糖、百合根、クコの実、ナツメ、赤ワイン(少量)、竜眼肉、干しぶどう、たまごなど

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3 更年期の 「イライラ」タイプ

気になる症状
寝付きが悪い、イライラして驚きやすい、気持ちが不安定、ほてり、寝汗、口の渇き
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改善ポイント

【陰陽のバランスが悪く、気持ちが不安定に】

 

中医学の基礎となる五行学説では「心(しん)」は火(陽)、「腎(じん)」は水(陰)にあたり、どちらかが強く働きすぎることのないよう、互いを抑えながらバランスをとっています。しかし、慢性病や更年期などで心身が疲労すると、腎の陰を消耗し、心の陽を抑えられなくなってしまうのです。

 

イライラやほてりを伴うこのタイプの不眠は、このように陰陽のバランスが悪くなることが原因。以下の食材をとり入れて体内の過剰になった熱を下げ、陰陽バランスをとるよう心がけましょう。

摂り入れたい食材
苦味のあるものや、涼性の食材を選び、体内の熱を落ち着かせましょう。
竹の子、ふきのとう、ふき、蓮根、くちなし、苦瓜、のり、わかめなど

※涼性:からだの熱を冷ます性質

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4 消化不良の 「ムカムカ」タイプ

気になる症状
寝つきが悪い、胃の膨満感、胃のむかつき、ゲップが多い、胃の張り・痛み
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改善ポイント

【食べ過ぎ、飲み過ぎには要注意!】

 

暴飲暴食などで胃が傷つくと、胃の機能が低下して消化不良を起こします。食物が胃に長く停滞するため、胃が重く、ムカムカして眠れなくなるのです。

 

消化機能を回復させることで不眠は改善できますが、胃の不調が慢性化すると熟睡できない状態が続いてしまうため、早めの対応を心がけましょう。

摂り入れたい食材
消化を促し、胃の消化機能を回復するものを。
サンザシ、麦芽、陳皮(ちんぴ:みかんの皮)、大根、しその実、粟など

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point!快眠のための暮らしのヒント

不眠を起こす原因の多くは精神的なもの。まずは、イライラや不安感など不安定な精神状態を解消し、ゆったりと落ち着いて過ごす工夫をしてみましょう。

 

夜ぐっすり眠ることは健康の基本。睡眠の質を高めれば、リラックスして精神もより安定します。毎日のちょっとした習慣や食養生で、快眠体質を目指しましょう。 

 

・夕方以降にカフェイン(コーヒーやお茶類)摂取を控えましょう。

・就寝前にお風呂に入って身体を温めると、ポカポカして入眠しやすくなります。

・お風呂に入れないときには寝る前に足湯をするだけでも効果が得られます。

・お酒を飲むと寝付きやすくなりますが、飲む量は「少量」を心がけて。

・散歩や軽いストレッチなどで、適度に身体を動かしてストレス解消を。

あなたの体質タイプをチェック

PROFILE

中医学講師/監修 菅沼 栄先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)など。

CHECK!

まずは、自分の体質タイプを
チェックしよう!あなたの体質はどのタイプ?

同じ症状でも体質が違えば
対策は人それぞれ異なります。
まずは中医学の視点から
あなたの体質タイプを知りましょう。

TYPEA

「元気不足」タイプ
気虚(ききょ)

エネルギーとなる気が不足しています。
疲れやすくカラダがだるい、やる気が出ない、かぜをひきやすいなど、思い当たりませんか?

TYPEB

「イライラ」タイプ
気滞(きたい)

気の巡りが滞っています。
イライラして怒りっぽい、生理不順、お腹が張ってガスがでるなど、思い当たりませんか?

TYPEC

「血液の不足」タイプ
血虚(けっきょ)

カラダの栄養となる血が不足。
冷えやめまい、立ちくらみ、抜け毛、爪が割れやすいなどの悩みはありませんか?

TYPED

「血液ドロドロ」タイプ
瘀血(おけつ)

全身の血の巡りが滞った状態です。
目の下のクマ、シミ、頭痛、がんこな肩こり、つらい生理痛で悩んでいませんか?

TYPEE

「潤い不足」タイプ
陰虚(いんきょ)

カラダの潤いが不足しています。
のぼせ、ほてり、寝汗、肌の乾燥やかゆみ、経血量が少ないなど、気になりませんか?

TYPEF

「ため込み」タイプ
痰湿(たんしつ)

水分代謝が落ちた状態です。
太りやすい、むくみ、ニキビ、一日中眠気が取れないなどで悩んでいませんか?

あなたの体質タイプをチェック

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こころとカラダのこと、
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中医学はあなたの体調・体質に合わせて、つらい症状に対処し、元気とキレイを提案します。私たちは日々様々なストレスにさらされ、気づかないうちにこころもカラダも疲れています。病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、改善されない不調がある。そんな方に、中医学の考え方をご紹介します。

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