足腰の冷えと気力・体力アップに「えび入り山芋饅頭の葛あんかけ」 - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

COOKING食養生のレシピ

足腰の冷えと気力・体力アップに
「えび入り山芋饅頭の葛あんかけ」

2019.01.29 UPDATE

監修:金井 ひかり 先生(国際中医薬膳師)

【難易度★★☆】
えびは体を温めて、疲労を回復します。

えび 温性/甘味・鹹味 食欲増進、体力回復、めまい・ふらつき・手の震え・足腰の冷えに作用 など

えびは「生命力の貯蔵庫」とも言われる「腎(じん)」の働きを高めます。
冬の寒さや過労により腎の働きが低下すると、下半身のだるさや腰痛につながることがあります。えびはこのような下半身のだるさ、痛みに作用し、疲労回復を助けます。また、胃腸の働きを高め食欲を増進し、気力・体力をアップ。体を温める作用が高いため、冷えやエネルギー不足による血行不良にもおすすめです。

えびの殻には肩こりや不眠、便秘に良いとされる成分が豊富に入っています。取り除いた殻や頭は、お味噌汁やスープで出しをとり、丸ごと栄養成分をいただきましょう。
薬膳では、乾燥した干しえびや桜えびにも同じ作用があると考えられています。殻ごと食べられるえびは、カルシウムも豊富です。体を温め体力を回復してくれるえびを、ご飯と一緒に炊き込んだり、炒めものやサラダに入れて、気軽に毎日の食事に取り入れましょう。

熱がこもりやすいタイプの方、肌トラブルを抱えている方、ほてりのある方は、食べ過ぎに注意してください。

プリント

えび入り山芋饅頭の葛あんかけ
RECIPE

寒さが日に日に厳しくなる冬は、気血の循環が悪くなり新陳代謝も低下します。この寒さの影響で、肩こり、腰痛、生理痛などの冷えが元となる症状が現れる他、心筋梗塞や脳梗塞など、血管に関係するトラブルも発病しやすくなります。
温まる食事をとり、寒い冬の季節に最も関係の深い五臓の「腎」を補うことが大切です。腎は、発育や老化とも関係しているので、冬の間に腎をしっかりケアすることは、アンチエイジングにもつながります。

今回は、腎の働きを高めるえびと山芋をベースに、食物繊維豊富なれんこんを加えました。仕上げに、身体に潤いを与え筋肉の緊張を解くため、肩こりや、頭痛を緩和する葛でとろみを付けたあんをかけました。

調理時間30分

材料
【2人分】
山芋………中5センチ程度
れんこん…小1本程度
えび………4匹
銀杏………4個
クコの実…6粒
塩…………適量
・葛あん
だし汁……1カップ
塩…………小さじ1/3
しょうゆ…数滴
葛…………小さじ1

※だし汁
ご家庭のお好みのものをお使いください。今回使っただし汁の材料は下記、作り方はページ下部のポイントでご紹介しています。
いりこ……8g

昆布………5g
水…………300cc

COOKING

  1. 1銀杏の殻をペンチなどで割る。鍋に銀杏が浸るくらいの水を沸かして、銀杏とひとつまみの塩を入れ、穴あきおたまの背(普通のおたまでも可)で転がしながら2~3分煮て水に上げる。
  2. 2①の粗熱がとれたら薄皮を剥く。
  3. 3れんこんと山芋をそれぞれ1/2カップ分すりおろしてよく混ぜ、塩をひとつまみ入れる。
  4. 4えびの背わたを竹串で取り、殻を剥く。
  5. 5③を器にとり分け、えびと銀杏をのせて約8分蒸す。
  6. 6だし汁を塩、しょうゆで味を整えて 同量の水で溶いた葛でとろみをつけ、葛あんをつくる。
  7. 7⑤が蒸し上がったら⑥の葛あんをかけクコの実を飾る。

料理のポイント

  • point! だし汁の作り方
    いりこと昆布を水に30分以上浸した後、 弱火にかけ沸騰直前で昆布をとる。 灰汁を取りながら、弱火でフツフツと5〜10分煮る(灰汁が出なくなるまでが目安)。
  • point! 山芋を長芋で代用する場合、水分が多くゆるくなることがあるので、葛や片栗粉を小さじ1/2加え、よく混ぜてから蒸します。 れんこんも水分が多い時は、ザルに上げて軽く取り除きます。
  • point! 蒸し器がない場合、底の深い鍋に土台となるお椀(高さのある器)を逆さに置いて水を入れる。その土台の上に別の平皿を置き、水を沸騰させたら⑤を平皿の上に置き、鍋に蓋をして蒸す。

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この記事を監修された先生

国際中医薬膳師金井 ひかり 先生

金井 ひかり(かない ひかり)
那須塩原市の薬膳レストラン『おいしい薬膳 白牡丹』主宰・オーナーシェフ。
調理師学校講師を経て、日本中医学院(旧北京中医薬大学日本校)に入学。卒業後は日本中医栄養薬膳学研究会で薬膳調理実習講師を担当した後、行政による薬膳講座など全国各地で講師を務める。食を通して自然とつながり、食の持つ癒しの力で心と身体が元気になる薬膳を提供している。