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よく分かる中医学vol.5-「肝」の働きと養生(2)-

STUDY中医学の基礎

よく分かる中医学vol.5
-「肝」の働きと養生(2)-

2017.12.19 UPDATE

前回の「よく分かる中医学vol.4-「肝」の働きと養生(1)-」に引き続き、「肝(かん)」の特集です。

肝は「疏泄(そせつ)」と「蔵血(ぞうけつ)」の機能を中心として、身体全体の活動と関わるさまざまな役割を担っています。今回は、その名の通り血を貯蔵する「蔵血」の機能について詳しくご紹介します。

また、肝はストレスに大きく影響を受ける臓器です。ストレスのない、のびのびとした暮らしのための養生について、ポイントをお伝えします。

 

血を貯蔵する「蔵血(ぞうけつ)」

【血を貯蔵し、必要に応じて全身に送る】

中医学では、「肝」は血の貯蔵庫と考えます。
また、身体が活動している時には必要とされる器官に血を送り、睡眠時や休息時には血を肝に戻して貯蔵する、というように、必要に応じて血量をコントロールするのも肝の役割です。

血の貯蔵や血量調節の機能が低下すると、体内の血が不足してめまいや視力の低下、月経不順、無月経などの症状が起こったり、血量の調節がうまくできず、鼻血や月経過多、子宮の出血といった症状が現れたりします。

肝の蔵血機能を高めるためには、体内の血を十分に養いながら、多量の出血などを防ぐよう収斂(しゅうれん)することが大切。
バランスのとれた食事、質の良い睡眠、適度な運動など、生活習慣を整えながら、肝の機能を健やかに保ちましょう。

●気になる症状
・蔵血機能の低下:めまい、顔色が白い、視力の低下、目の乾燥、目の諸疾患、月経不順、月経量の減少、無月経
・血量調節機能の低下:出血しやすい(鼻、目、月経、皮下、痔などの出血)

●摂り入れたい食材
・肝の血を補う:
レバー、黒ごま、ひじき、クコの実、ブルーベリー、ぶどう、竜眼肉、棗、にんじん、ほうれん草、小松菜 など

・酸味のある食材で肝を収斂する:
酢、いちご、レモン など

「蔵血」による筋と目の機能維持

「蔵血」は身体のすみずみまで血を届けることによって、筋のスムーズな動きを維持し、視力や目の健康も保っています。

【身体の動きをスムーズに保つ「筋の機能維持」】

「筋」は、筋肉と骨についている腱、筋膜(きんまく)、じん帯などのこと。「肝」は全身に血液を送ることで筋にも栄養や潤いを届け、その機能を健やかに保っています。そのため、体内の血が不足すると筋の栄養や潤いも不足し、足腰の動きが鈍くなる、手足がしびれる、といった不調が現れるのです。

また、肝の状態は爪にも現れるため、肝の機能が低下していると爪が薄くなったり、ツヤがなくなったりすることも。
気になる症状がある人は、体内の血を十分養うよう積極的な養生を心がけましょう。

●気になる症状
手や足腰など関節の動きが鈍い、手足がしびれる、爪が薄く割れやすい、爪のツヤがない

●摂り入れたい食材
あさり、はまぐり、しじみ など


【目の健康を保つ「目の機能維持」】

「肝」は、全身に血液を送ることで目にも栄養や潤いを届け、視力や目の状態を正常な状態に保っています。そのため、肝の機能が低下して体内の血が不足すると、視力の低下や目の乾燥など、さまざまな目のトラブルにつながるのです。 目の健康を保つためには、肝の機能を高めて身体の内側からしっかり潤いや栄養を補うことが大切。目薬などに頼るだけでなく、根本的な改善を心がけましょう。

●気になる症状
目の乾燥、視力の低下、ものがぼやけて見える、その他目の諸疾患

●摂り入れたい食材
鰻、レバー、にんじん、ブルーベリー、クコの実、あわび など

<のびのび、活発に動いて“溜めない”カラダに>

積極的に身体を動かして、ストレスや老廃物などをスッキリ発散してしまいましょう。のびのびとしたストレスのない状態は、「肝」の機能を高めることにもつながります。
 
・早起きを心がけ、散歩など軽めの運動を。
・髪のブラッシングや頭皮のマッサージで気分をリフレッシュ。
・香りのいい花茶は、アロマ効果でストレス発散に。ジャスミン茶や菊花茶、春の新茶などがオススメ。

【肝のツボ】
・太陽穴(たいようけつ)…目尻の近くのくぼみ。指をツボにあて、左右同時に押す。
・内関穴(ないかんけつ)…手首から肘に向かって指3本分置いたところ。指をツボに当て押す。
・三陰交(さんいんこう)…内くるぶしから膝に向かって指4本分置いたところの骨の後ろ。脚を掴むように指でツボを内側に入れ込む。

PROFILE

中医学講師菅沼 栄 先生

1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)など。

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