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妊活のための中医学入門vol.3妊娠しやすいからだへ導く「周期調節法」とは

SPECIAL特集

妊活のための中医学入門vol.3
妊娠しやすいからだへ導く「周期調節法」とは

2017.07.18 UPDATE

周期調節法と中医学

前回の「妊活のための中医学入門vol.2自分の"生理"を気にしたことはありますか?」では、自分の生理(月経)を知ることが妊娠しやすい体への第一歩というお話しをしました。 今回は、基礎体温からご自身の妊娠力を知り、漢方で体を整えることで妊娠力を高めていく「周期調節法」について、ご紹介していきます。


生理の周期に合わせて漢方で体を整えていく「周期調節法」は、西洋医学の生理周期のメカニズムと、中医学の考え方を融合した月経調節法です。女性の体は、生理周期によって状態が異なります。
 

基礎体温を参考にしながら、それぞれの周期(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)によって異なるホルモン分泌や体の状態を中医学で分析し、周期によって漢方で体の状態を整えていきます。

周期調節法では、妊娠に必要な「気血」の機能や巡りを正常に整えること、「腎」の機能を高める「補腎(ほじん)」を中心に対応していきます。
 

「補腎」とは生殖機能を司る五臓の腎(じん)を補うことです。特に、補腎では陰陽のバランスが重視されます。体に潤いを与え体内の余分な熱を冷ます「腎陰(じんいん)」と、体を温め成長を促す「腎陽(じんよう)」は、どちらかに偏ってしまうと陰陽バランスが崩れてしまうので、 基礎体温から読み取れる体の状態に合わせて陰陽バランスを整えていきます。


基礎体温のグラフは低温期と高温期の二相性(にそうせい)になっていることが理想的です。また、基礎体温で排卵の状態や周期の長さ、ホルモンの働きなどの状況を知ることができます。

基礎体温グラフ

生理周期で違う体の状態

生理周期は次の4つの時期に分けられます。それぞれの時期で体の状態がどのように違うのか、どのような対応が適しているのかを具体的にご紹介します。

 

● 月経期
生理は子宮内膜が剥がれ落ちることで始まります。基礎体温では、高温期から低温期に移行します。この時期にとても大切なのは、月経血を完全に排出すること。不要となった子宮内膜が体内に残ると血の巡りの滞った瘀血(おけつ)の原因となってしまいます。

瘀血は強い生理痛、子宮内膜症や子宮筋腫などの素因となることもあります。瘀血を防ぐためにも、経血をしっかりと出し切るために「気血」の巡りを高めることを中心に対応していきます。体を冷やさないよう衣服を工夫し、冷たいものの飲食もできるだけ控えましょう。
 

[よくある問題] 生理痛がひどい、基礎体温のばらつき
[漢方での対応] 気血の巡りをよくするもの
[よく使われる生薬(しょうやく)] 丹参(たんじん)、当帰(とうき)、紅花(こうか)、香附子(こうぶし)など
[おすすめ食材] 香りの良いハーブティー、棗(なつめ)、しょうが、鶏肉、たまご、大根、にんにく、ねぎなど



● 卵胞期
生理が終わってから排卵までの間は、子宮内では新しい内膜を作り、卵巣では卵胞が発育していく時期となります。基礎体温では低温期にあたります。卵胞をしっかりと育てるためには、生理後に不足している「血」や「腎陰(じんいん)」を十分に補っていく必要があります。

よい卵子を育てるためには最も大切な時期ですので、十分な栄養と休息をとり、気持にゆとりを持つことも大切です。特に睡眠は重要です。卵胞が育つのは夜が中心といわれており、夜更かしをすると卵胞の成長に欠かせない「血」や「腎陰」が消耗してしまうからです。遅くても12時前には就寝するようにしましょう。
 

[よくある問題] 卵の成長が遅い、基礎体温のばらつき
[漢方での対応] 血を養い、腎陰を補うもの
[よく使われる生薬(しょうやく)] 当帰(とうき)、地黄(じおう)、亀板(きばん)、すっぽんの甲羅、女貞子(じょていし)、旱蓮草(かんれんそう)、枸杞(くこ)など
[おすすめ食材] 魚介類、牛肉、たまご、大豆製品、小松菜、ほうれんそう、にんじん、くるみ、ぶどう、大豆製品、雑穀類など



● 排卵期
卵胞から卵子が飛び出す排卵期は、排卵をスムーズにするために、「気血」の巡りをよくしておくことが大切です。この時期、基礎体温では、低温期から高温期へと移行します。排卵すると体温がすぐに上昇しますが、その前にいったん最低体温までさがることもあります。また、排卵日前後は粘り気の強い透明なおりものが増えるのも特徴です。散歩やストレッチ、ヨガなどで体を動かし「気血」の巡りを高めておくことで排卵もスムーズに。

[よくある問題] 排卵障害、おりものが少ない、不正出血
[漢方での対応] 気血の巡りをよくするもの
[よく使われる生薬(しょうやく)] 丹参(たんじん)、当帰(とうき)、紅花(こうか)、香附子(こうぶし)など
[おすすめ食材] 香りの良いハーブティー、クコの実、柑橘類、なす、レバー、春菊、セロリ、香菜(シャンツァイ:パクチー)、梅干しなど


● 黄体期
排卵後、黄体ホルモンの分泌によって体温が上昇します。基礎体温では高温期にあたります。黄体期は、受精卵を着床しやすくする準備の期間で、子宮内膜が厚くなる時期です。

子宮内膜が温かく柔らかい状態を保てるよう「気血」と「腎陽(じんよう)」を補うことを中心に、巡りを整えて子宮を温めることが必要です。この時期は体を温めて過ごしましょう。特に下半身が冷えないよう心がけて。冷たい飲み物や食事も控えめにしましょう。

[よくある問題] 黄体ホルモンの働きが弱く、高温期の日数が短い(12日未満)
[漢方での対応] 気血を補うもの、腎陽を補うもの
[よく使われる生薬(しょうやく)] 人参(にんじん)、鹿茸(ろくじょう)、淫羊霍(いんようかく)、杜仲(とちゅう)、地黄(じおう)、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)など
[おすすめ食材] しょうが、にんにく、鶏肉、ニラ、かぼちゃ、くるみ、山芋、長芋、棗(なつめ)、ごま、うなぎ、えび、黒きくらげなど

基礎体温について

基礎体温は、6時間以上の十分な睡眠の後、目覚めた直後に専用の婦人体温計を使って、安静のままの状態で測ります。測定する時間は、できるだけ一定の時刻にするとよいでしょう。生理周期によってホルモンバランスが変化し、それに応じて体温が変動していきます。

毎日の体温を記録していくことで基礎体温表ができます。ここで大切なのは、全体的な傾向を把握することです。3周期ほど続けると、ご自身の傾向がわかってきますので、続けて測ってみましょう。 体温に影響する要因は、日々の生活の中に多々あります。例えば睡眠不足、仕事が忙しい、ストレスが多い、偏った食事や栄養バランスの乱れなど。

体温は一時的に変化することもありますので、あまり過敏にならず、体質の傾向を把握する要素のひとつとして取り組んでみてください。

PROFILE

中医学講師張 立也 先生

張 立也(ちょう りつや)中医学講師。
医学博士。不妊カウンセラー。
中国・遼寧中医薬大学医学部卒業。同大学に医師・講師として勤務。1996年に来日し、埼玉医科大学で医学博士号を取得。 現在は日本中医薬研究会専任講師として、中医学の普及と指導に務める。
主な著書に「中医の非薬物療法基礎と臨床」「中医整体学」など。

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