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たかがニキビ、されど…

2017.03.07 UPDATE

監修:楊 暁波 先生(中医学講師)

楊暁波先生の中医美容レッスンvol.12

二キビが発するメッセージ

“ニキビ”は青春のシンボルですが、「肌は内臓を映す鏡」という観点で見ると、何かの臓器が弱っていますよ、というシグナルでもあります。中医美容的ニキビ対策は、「う・つ・な・は・だ・け」を目指しつつ、内臓の問題まで解決する根本対策なのです。

中医学的にみたニキビの原因は?

中医学の基礎理論である「陰陽学説」では、自然界に存在するすべての物質は陰と陽いずれかに分類され、バランスをとって成立していると説いています。人間の体もしかり。このバランスが崩れ、「陽」が強くなると、体内に熱がこもり「陽盛(ようせい)」という状態になります。暑がりの方はこのタイプです。陽盛は、もともとの体質の場合もあるし、ストレスや生活習慣で体内環境が一時的にそうなっている場合もあります。
思春期は心身の発育段階。体中の気が満ち溢れて熱がこもりやすい「陽盛」状態にあるのです。そのため、ニキビが発生しやすいのです。

ニキビの解決法は一律じゃない!4タイプ別ニキビからわかるアナタの体質は?

ニキビは、「熱」が原因ですが発生する場所や色、特徴によって4つにタイプに分けられます。タイプによって、体内のどの部分に熱がこもっているか、どんなトラブルが発生しているのかを判断します。当然対処方法も変わります。
鏡で自分のニキビをチェックしてみましょう。
■白ニキビタイプ
・額と眉間にでやすい
・悪化はしないが2~3週間以上治らない
・白く小さいが数は多い
・口が乾きやすい
・辛いものや煙の刺激で咳がでやすい
白いニキビタイプは、刺激物で咳がでる、のどや鼻が乾燥しやすいなど、呼吸器系統がデリケートな人に見られがち。これは皮膚に熱がこもっている(肺熱風熱)ためで、それを発散させる食べ物や漢方をつかいます。
■赤ニキビタイプ
・こめかみから耳の前にでやすい
・赤くぶつぶつのニキビが出やすい
・生理前後に特にでやすい
・イライラしてストレスがたまりやすい
・目が疲れやすく、充血しやすい
赤いニキビは、辛いものを好きな人に多く見られますが、これは血に熱がこもっている(血熱)のためで、血の熱をとる漢方を使います。
■黄色いニキビ
・フェイスラインに沿ってでやすい
・黄色く膿んだようなニキビがでやすい
・肌質はオイリーぎみで、ニキビの跡が残りやすい
・脂っぽいものを好む
・便秘しやすい
黄色いニキビは、白ニキビや赤ニキビが悪化し化膿したもので、便秘を併発していることが多いです。皮膚や血、そして胃の熱をとりつつ、重度の炎症や感染症という意味をもつ「毒」を追い出す清熱解毒薬を使います。
■紫のニキビタイプ
・口のまわりや、あごから首にかけて(胸や背中にも)でやすい
・芯がある紫色のゴリゴリニキビがでやすい
・生理痛や経血塊が混ざることがある
・舌が紫色
・婦人病の心配がある
紫のニキビは血の巡りが悪い人に良く見られます。月経血にはレバーのような塊が混じる人が多いです。この場合は、熱と毒を取り除くだけでなく、不要な水(痰湿)を取り除き、血流をよくする漢方を使います。またこのタイプはホルモンバランスを崩し、婦人科系に問題を抱えている人も多いので、そちらの対策が必要です。

ニキビにおすすめの食材は?

ニキビ対策には、熱毒(ねつどく)を取る食材がおすすめです。熱を取る食材の中でも、トマトとキュウリはぜひ食べていただきたい食材です。お料理ですと、卵とトマトのスープ、血の巡りを良くする玉ねぎも入ったミネストローネなど良いでしょう。キュウリは日本では生で食べることがほとんどかと思いますが、中国の家庭料理ではキュウリをさっと炒めてよく食べます。火を通すと胃腸への負担が軽減しますので、ぜひお試しください。トマトは1日1個を目安に、赤いニキビが多く現れる時にキュウリは1日2本程度が目安です。
その他の食材ですと同じように熱毒をとる食材である、小松菜、レンコン、大根。飲み物だと、緑茶やジャスミン茶がおすすめです。中医学ではコーヒー・甘いもの、脂っこいもの、辛いものなどの過食は胃腸にダメージを与えて熱を生む原因になりますので、特に、ニキビがある時はこれらの食材はできるだけ控えてください。
中医美容の素晴らしいところは、ニキビが綺麗になるだけでなく、イライラしやすい、便秘・下痢、胃がもたれやすいなど、体質改善もできることです。なかなか治らないニキビには、中医美容での内面・外面・養生の三本柱のアプローチで、美肌と今よりも健康な体を手にいれましょう。

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この記事を監修された先生

中医学講師楊 暁波 先生

楊 暁波(よう きょうは) 中医学講師。
不妊カウンセラー。毛髪診断士。世界中医薬学会連合会皮膚科専門委員会理事。1984年雲南中医薬大学医学部卒業。94年埼玉医科大学客員研究員として来日、96年日本遺伝子研究所に勤務。99年より日本中医薬研究会専任講師。共著に「やさしい中医学シリーズ3 誰も書かなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」「やさしい中医学シリーズ4 あなただけの美肌専科」(ともに文芸社)「イスクラ中医学入門「1」中医基礎学」、「同「2」中医診断学」(ともに日本中医薬研究会)、「[簡明]皮膚疾患の中医治療」(東洋学術出版社)など