中医アロマ的温活術vol.1~足湯と中医アロマ~ - 漢方・中医学の情報サイト|COCOKARA中医学

STUDY中医学の基礎

中医アロマ的温活術vol.1
~足湯と中医アロマ~

2016.11.29 UPDATE

監修:車田 光穂 先生(中医アロマセラピスト)

足湯と中医アロマ

中医アロマとは

中医アロマとは、中医学の『弁証論治(べんしょうろんち)』という体質の見立てる方法を使って、その方の体質を見極め、方剤を組むように生薬の薬性理論にもとづいて、精油の性質を判断しブレンドする。そして経絡や経穴を中心にトリートメントを行う…。
つまり、中医学の数千年の臨床データに基づく理論体系に沿って、自身にピッタリの植物を選び、生薬のように人によっては苦くて飲めないものがある中で、心地よい香りにつつまれながら心と体を健やかに保つ方法なのです。
香りは、直接大脳辺縁系に信号が行くため、強制的にリラックス状態にさせてくれます。精油との相乗効果により、体だけでなく心のバランスも整えることができるのです。
中医アロマを温活に手軽に取り入れられるよう、今回は足湯をご紹介します。

1:足湯が良い5つの理由

①ツボ・経絡の刺激
足裏やふくらはぎには、沢山の重要なツボや経絡(肝・脾・腎・胆・胃・膀胱の経絡)があります。正確な位置が特定できなくても、足全体を温めることで沢山のツボや経絡を刺激することが出来ます。また、そのツボや経絡とつながりのある、体の様々な疾患を和らげる効果があります。
②血液循環UP!
人間の筋肉量は上半身:下半身=1:2と、下半身のほうが多いのです。ふくらはぎが第二の心臓と言われている所以はここにあります。全身の3分の2の筋肉をほぐし、温めることで、全身の血液循環を促進することにつながります。
③心臓負担が少ない
足湯は全身浴と比べると心臓などの内臓にかける負担が軽く、高齢者の方や、心臓に何かしら疾患を抱えている方でも安心して行えます。
④入眠効果
足湯後30分近くは、体の深部が温まった状態で保たれます。やがて血流や体温上昇がピークを過ぎると、本格的に鎮静効果がもたらされます。お休みになる30~60分前に足湯をお試しください。
⑤免疫力UP、ダイエットにも
体が一定の体温を保つための熱エネルギー(中医学では『気』とよばれます)の生産に、肝臓は大きな役割を果たしています。足湯で血液が温められることにより肝臓の負担が軽減され、その分解毒作用やタンパク質合成、脂肪分解などの働きを活発化させることが出来るので、免疫力も上がり、ダイエットにも効果的と言われています。

2: 足湯のための6ステップ

①深めのバケツやフットバスを用意し、38~42℃ のお湯を張る。(膝下までお湯があればベスト)
②岩塩orはちみつにお好みの精油を3滴垂らして軽く混ぜ、お湯に溶かし入れる。
③バケツに足を入れ、バスタオルなどを膝にかける。(バケツを覆うようにすると蒸気が逃げにくく保温効果UP)
④10~15分くらい、お湯の中で足首を前後に動かしてストレッチしたり、ふくらはぎを両手で包むようにして、下から上へ絞り上げるようにマッサージする。(好きな音楽をかけたり、ただ読書してるだけでもOK)
⑤足をタオルで拭きながら、足裏を親指でほぐしたり、足首のストレッチなどを行う。
⑥水分補給。足湯後は入浴後と同様、体の水分が失われて喉が乾きやすくなっています。コップいっぱいの白湯をゆっくり召し上がってください。
★注意
・汗が出る前にやめましょう。逆に体温が下がってしまいます。
・長時間の足湯は、体力を消耗しますのでご注意ください。
♥冷え性の方には…
もう1つ冷たい水の入ったバケツを用意してお湯に5分お水に30秒。これを3~4回繰り返して最後はお水で終了。交互に入ることで血管反射が良くなります。

3 :併せて使いたい中医アロマ

ここでは温活におすすめの精油を、中医学的視点から解説いたします。
◆とにかく冷えが強いタイプ
ジンジャー(1滴)+オレンジスイート(2滴)
【各精油の解説】
●ジンジャーは生姜(しょうきょう)のこと。臓腑では心・脾・肺・腎の4つに帰経(経絡を通して作用すること)していて、生薬としても昔から重宝されてきた冷え対策における万能薬のような存在。熱性で温める力も強く発散力の高い精油なので、冷えを散じ、陽を補い、経絡の流れを整えます。
●オレンジスイートは肝・脾に帰経します。温性で理気(気の巡りを整える)・補気(気を補う)作用のあるオイルなので、胃腸が弱っているときにも◎
◆冷えとむくみが気になるタイプ
ジュニパーベリー(1滴)+シダーウッド・アトラス(2滴)
【各精油の解説】
●ジュニパーベリーは、ジンという蒸留酒の香り付けに使われている木の実から抽出された精油です。臓腑では腎に帰経し、熱性で温める力がとても強いものです。利湿(りしつ)といって、体に溜まった余分な水分をデトックスする働きもあるので、下半身のむくみにお悩みの方には特におすすめです。
●シダーウッド・アトラスはマツ科の植物で、臓腑では腎に帰経し、温性で体を穏やかに温めてくれます。生殖機能や生理のリズムを整える働きや、リンパや静脈の強壮作用があり、痛風やリウマチにも効果があると言われています。
今回ご紹介した精油は、お風呂に入れてもOK!この冬の温活に、ぜひご活用ください。

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この記事を監修された先生

中医アロマセラピスト車田 光穂 先生

車田 光穂(くるまだ みつほ)
登録販売者、国際中医専門員、中医アロマセラピスト、日本中医薬研究会会員店にて3年間勤務。その後イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学び、イスクラ薬局六本木店の店長を経て独立。現在は東京・南麻布にて「漢方四月一日庭(つぼみてい)」の庭主として、漢方薬だけでなく、食事、アロマセラピーなどの養生法を適材適所で使い、心地よい生き方を提案している。